エアコンクリーニングは業者に頼むべきか、迷うこともあるでしょう。市販の洗浄スプレーを使って自分で手入れできる気もします。しかし、プロに依頼するメリットを知ると、判断が変わるかもしれません。実は、放置された汚れは電気代のアップや、思わぬ健康被害を引き起こす原因にもなります。
この記事では、エアコンクリーニングを業者に頼むべきタイミングや、プロならではの技術を分かりやすく解説します。自分での掃除に潜むリスクもまとめました。今の家のエアコンにプロの掃除が必要かどうか、一緒にチェックしていきましょう。
エアコンクリーニングを業者に頼むべきか判断する基準
業者を呼ぶかどうかを決めるポイントは、エアコンの状態にあります。毎日使っていると、小さな変化には気づきにくいものです。しかし、特定のサインが出ていれば、プロの洗浄が必要な証拠です。ここでは、今すぐ家で確認できる3つの判断基準を紹介します。
1. 吹き出し口に黒い点々のカビが見える
エアコンのルーバーを下げて、中を覗き込んでみてください。もし黒い点々が見えるなら、それはカビです。吹き出し口に見える汚れは、氷山の一角にすぎません。
内部の送風ファンには、さらに大量のカビがこびりついています。この状態でスイッチを入れると、部屋中にカビの胞子が舞い散ります。目に見える汚れがある場合は、早急にプロへ依頼しましょう。
2. エアコンをつけると酸っぱい臭いがする
エアコンをつけた瞬間に、モワッとした酸っぱい臭いを感じることはありませんか。この臭いの正体は、内部に蓄積したカビや細菌、ホコリの混ざったものです。
フィルター掃除だけでは、この奥にある臭いの原因まで届きません。部屋の空気が不快に感じたら、内部までしっかり洗うタイミングです。消臭剤で誤魔化さず、根本的な洗浄を検討してください。
3. 購入してから2年以上一度も掃除をしていない
見た目が綺麗でも、2年以上経過しているなら業者に頼むべきです。エアコン内部には結露によって水分が溜まり、カビが発生しやすい環境が整っています。
一般的な家庭では、2年も経てば内部はかなりの汚れで覆われます。特に夏や冬にフル稼働させている場合は、汚れの進行が早いです。故障を防ぎ長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。
プロにエアコンクリーニングを依頼する大きなメリット
プロに依頼する最大の利点は、自分では不可能なレベルまで綺麗になることです。専門の道具と知識を駆使した洗浄は、単なる掃除とは次元が違います。ここでは、具体的な3つのメリットを深掘りします。
1. 専用の高圧洗浄機でカビを根こそぎ除去できる
プロは家庭にはない高圧洗浄機を使用します。強力な水圧によって、アルミフィンの隙間やファンの裏側にあるカビを弾き飛ばします。
市販のスプレーでは届かない場所まで、一気に洗い流せるのが強みです。真っ黒な汚水が出てくる様子を見ると、その洗浄力の高さに驚くでしょう。頑固な汚れをリセットできるのは、プロならではの特権です。
2. 内部まで分解して自分では届かない汚れを落とせる
業者はエアコンのカバーやルーバーなど、外せる部品をすべて取り外します。部品を分解することで、内部の構造が丸見えの状態になります。
むき出しになった状態で洗うため、死角がありません。自分では触るのが怖い複雑な部分も、専門家なら安全に綺麗にできます。隅々まで清潔になることで、空気の質が劇的に改善します。
3. エアコンの効きが良くなり毎月の電気代を抑えられる
内部の目詰まりが解消されると、空気の循環がスムーズになります。その結果、設定温度に達するまでの時間が短くなり、消費電力を減らせます。
実際にクリーニングを行うと、電気代が10%から20%ほど安くなるケースも珍しくありません。掃除費用はかかりますが、節電効果でその一部を回収できると考えればお得です。冷暖房の効きが悪くなったと感じる人こそ、試す価値があります。
自分でエアコン掃除を行う際のリスクと注意点
自分で行う掃除には、思わぬ落とし穴が潜んでいます。手軽に安く済ませようとした結果、かえって高くつくことも多いのです。ここでは、DIY掃除で特に注意すべき3つのリスクを解説します。
1. 電装部に洗浄液がかかることによる火災の危険
エアコンの右側には、基板などの大事な電装部が集まっています。ここに水や洗浄液がかかると、ショートして火災に繋がる恐れがあります。
製品評価技術基盤機構(NITE)からも、不適切な洗浄による火災事故への注意喚起が出ています。ビニールでの養生が甘いと、隙間から液体が入り込むため非常に危険です。安全面を最優先するなら、知識のあるプロに任せるのが賢明です。
2. 洗浄剤の残りカスが原因で水漏れが発生する
市販のスプレーを使うと、成分が内部に残ってしまうことがあります。十分なすすぎができないため、洗浄剤が固まってドレンホースを詰まらせるのです。
ホースが詰まると、行き場を失った水が室内機から漏れ出してきます。壁紙を汚したり、下の家具を濡らしたりする被害に繋がりかねません。確実に水を排出し切る技術が、エアコン掃除には不可欠です。
3. 無理な分解による部品の破損とメーカー保証の対象外
最近のエアコンは構造が非常に複雑です。ネットの動画を参考に分解しようとして、プラスチックの爪を折ってしまう人が後を絶ちません。
自分で壊してしまった場合、メーカーの保証期間内であっても有償修理になります。修理代だけで数万円かかることもあり、本末転倒な結果になりかねません。壊して使えなくなるリスクを考えれば、業者に数千円払う方が安上がりです。
業者に頼むのと自分でするクリーニングの決定的な違い
自分でやる掃除とプロの仕事では、仕上がりに天と地ほどの差があります。それは、道具の差だけでなく、経験に基づいた技術の差でもあります。ここでは、その決定的な違いを3つの視点で比較します。
1. 市販のスプレーでは落としきれない奥の汚れ
市販の洗浄スプレーは、表面のアルミフィンを洗うことしか想定されていません。しかし、カビの温床はもっと奥にある送風ファンやドレンパンです。
スプレーをかけるだけでは、汚れを奥に押し込んでしまう可能性すらあります。プロは奥まで薬剤を浸透させ、大量の水で徹底的に洗い流します。この「洗い流す量」の差が、清潔さを維持できる期間の差に直結します。
2. 汚水を完全に回収する養生技術と専用機材の有無
プロは作業前に、専用の養生シートでエアコンをすっぽりと覆います。これにより、周囲の壁や床を汚さずに大量の水を使用できます。
自分で行う場合は、ゴミ袋を繋ぎ合わせるなど準備だけで重労働です。しかも、少しの隙間から汚水が漏れる不安が常に付きまといます。完璧な養生と、汚水をスムーズに回収する機材は、プロならではの装備です。
3. 万が一の故障時に適用される損害賠償保険の安心感
信頼できる業者は、必ず損害賠償保険に加入しています。もし作業が原因で故障しても、修理費用を全額負担してもらえる仕組みです。
自分での掃除には、このような保証は一切ありません。高い家電を扱うからこそ、この安心感は非常に大きなメリットです。リスクを自分一人で背負う必要がないのは、プロに依頼する隠れた利点と言えます。
お掃除機能付きエアコンでもプロの洗浄が必要な理由
「お掃除機能があるから掃除はいらない」という思い込みは危険です。実は、この機能がある機種こそ、プロの手が必要になることが多いのです。その理由を詳しく紐解いていきましょう。
1. 自動で掃除されるのはフィルターの表面だけ
お掃除機能が掃除してくれるのは、フィルターに付着したホコリだけです。内部のアルミフィンやファンは、一切掃除されていません。
むしろ、フィルターを自動で動かす分、構造が複雑になりがちです。ユーザーが自分でフィルターを外して洗うのを忘れ、かえってホコリが溜まっている例も多く見られます。フィルター以外の場所には、通常通りカビが発生すると覚えておきましょう。
2. 構造が複雑なため内部にホコリが溜まりやすい
お掃除機能付きのエアコンは、内部に多くの部品が詰まっています。この複雑な構造が空気の流れを妨げ、ホコリを溜め込みやすくしています。
ホコリは湿気を吸い込むため、カビが繁殖する最高の餌場になります。一度内部が汚れると、通常のエアコンよりも状況が悪化しやすいのが特徴です。定期的に中をリセットしないと、機能自体が宝の持ち腐れになってしまいます。
3. 湿気がこもりやすく通常タイプよりカビが繁殖する
自動掃除のユニットが壁となって、内部の乾燥を妨げることがあります。湿気が逃げにくい環境は、カビにとって絶好の生息地です。
そのため、お掃除機能付きの方が、通常タイプよりカビ臭くなるのが早いケースもあります。高機能な機種ほどメンテナンスの手間がかかるのは意外な事実です。快適に使い続けるためには、プロによる高度な分解洗浄が欠かせません。
エアコンクリーニングを依頼する適切な頻度
どれくらいのペースで業者を呼べばいいのか、悩む人は多いはずです。住環境や使用頻度によって、理想的なタイミングは変わります。目安となる3つのパターンを参考にしてください。
1. 一般的な家庭では1年から2年に1回が目安
リビングなどで夏と冬に使用する場合、2年に1回はクリーニングを行うのがベストです。1年目にはカビが発生し始め、2年目には目に見える汚れへと成長します。
2年周期でプロの洗浄を取り入れると、故障のリスクを抑えつつ清潔さを保てます。自分で行うフィルター掃除は月2回、プロの洗浄は2年おきというサイクルが理想です。
2. ペットや小さい子供がいる家庭は毎年1回
室内で犬や猫を飼っている場合、毛やフケがエアコンに吸い込まれやすくなります。また、赤ちゃんのいる家庭では、わずかなカビの胞子も避けたいものです。
このような環境では、汚れのスピードが格段に早まります。健康への配慮も含め、年に1回の定期クリーニングをおすすめします。毎年シーズン前にリセットすることで、安心して1年を過ごせます。
3. キッチン近くなど油汚れがつきやすい場所の判断
リビングダイニングにあるエアコンは、調理中の油煙を吸い込んでいます。油を含んだホコリは粘り気があり、非常に落ちにくい汚れに変化します。
油汚れはカビの栄養源にもなるため、寝室のエアコンよりも汚れが深刻になりがちです。キッチンの近くにある場合は、汚れ具合をこまめにチェックしてください。ベタつきを感じたら、期間に関わらず早めに依頼しましょう。
エアコンクリーニングにかかる料金相場
費用が不透明だと依頼しにくいですよね。エアコンの種類によって、作業時間も難易度も異なるため料金が変わります。一般的な相場を以下のテーブルにまとめました。
| エアコンの種類 | 1台あたりの料金相場 | 作業時間の目安 |
| 壁掛け通常タイプ | 8,000円 〜 12,000円 | 1時間 〜 1.5時間 |
| お掃除機能付き | 13,000円 〜 25,000円 | 2時間 〜 3時間 |
| 天井埋込型 | 18,000円 〜 35,000円 | 2.5時間 〜 4時間 |
1. 通常の壁掛けエアコン1台あたりの費用
最も普及している通常タイプのエアコンは、比較的安価に設定されています。10,000円前後がボリュームゾーンとなっており、依頼しやすい価格帯です。
作業もスムーズに進むため、拘束時間も短くて済みます。複数台を同時に依頼すると、1台あたりの単価がさらに下がる業者も多いです。まずはこの金額をベースに予算を立ててみましょう。
2. お掃除機能付きエアコンの追加料金が発生する仕組み
お掃除機能付きは、通常の倍近い料金になることが一般的です。その理由は、内部の複雑な掃除ユニットを取り外すのに、高度な技術と時間が必要だからです。
配線が入り組んでいるため、熟練したスタッフでないと分解できません。この手間代が追加料金として反映されています。見積もり時に型番を伝えて、正確な金額を確認しておくことが大切です。
3. 2台以上まとめて依頼する場合のセット割引
多くの業者が「2台目割引」を用意しています。1台ずつ別々に頼むよりも、まとめて依頼した方が1,000円から3,000円ほど安くなる傾向があります。
業者側も移動コストが1回分で済むため、利用者と双方にメリットがあります。リビングと寝室、子供部屋など、家中のエアコンをセットで依頼するのが最も賢い節約術です。
業者の予約が取りやすく安くなる狙い目の時期
エアコンクリーニングには繁忙期と閑散期があります。時期をずらすだけで、予約が取りやすくなるだけでなく、料金が安くなることもあります。計画的に依頼するための3つのポイントを紹介します。
1. 繁忙期を避けた4月から5月の春シーズン
6月から7月は予約が殺到し、希望の日時が取れないことが多々あります。その直前の4月から5月は、業者にとって予約を埋めたい時期です。
この時期は「早割キャンペーン」を実施している業者が目立ちます。気温が上がる前に済ませておけば、いざ冷房を使いたい時に清潔な状態でスタートできます。
2. 夏の終わりから冬に備える9月から10月
冷房の使用が終わった秋も、実はおすすめのタイミングです。夏に発生した結露によるカビを、冬の暖房シーズン前に一掃できます。
秋は気温が安定しており、作業中にエアコンを止めても生活への影響が少ないです。予約も比較的取りやすく、じっくり丁寧な作業が期待できる時期でもあります。
3. 閑散期限定のキャンペーンや割引クーポンの利用
1月から3月などの閑散期には、大幅な値引きが行われることがあります。エアコンクリーニング単体だけでなく、換気扇掃除などとのセットプランも充実します。
急ぎでない場合は、業者のサイトを定期的にチェックしてみましょう。「くらしのマーケット」や「ユアマイスター」などの比較サイトでは、時期によってお得なクーポンが配布されることもあります。
失敗しないための信頼できるクリーニング業者の選び方
業者の数は非常に多く、どこを選べばいいか迷いますよね。安さだけで選ぶと、雑な作業をされたりトラブルになったりするリスクがあります。失敗しないための3つのチェックポイントを確認しましょう。
1. 料金体系が明確で追加費用の有無が明記されている
優良な業者は、公式サイトに詳細な価格表を載せています。当日になって「汚れがひどいから」と勝手に追加料金を請求することはありません。
駐車場代や出張費が含まれているかどうかも重要です。「おそうじ本舗」のような大手チェーンは料金が統一されているため、初めての人でも安心して利用できます。
2. 損害賠償保険に加入しているかを確認する
万が一の故障に備え、保険加入の有無は必ずチェックしてください。プロフィール欄や会社概要に「損害保険加入済み」の記載があるかを確認しましょう。
保険に入っていない個人業者に頼むと、トラブル時に泣き寝入りすることになりかねません。自分の大切な財産を守るためにも、最低限必要な条件と言えます。
3. 実際の利用者の口コミや作業実績が公開されている
口コミは、その業者の本当の姿を映し出す鏡です。「返信が早いか」「当日の対応は丁寧か」など、星の数だけでなく具体的なコメントを読みましょう。
また、実際に作業したエアコンのビフォーアフター写真を載せている業者は信頼度が高いです。自分の持っているエアコンと同じ機種の実績があるかを探してみるのも一つの手です。
エアコンクリーニング当日の流れと事前の準備
依頼が決まったら、当日の作業をスムーズに進める準備をしましょう。業者が来宅してから慌てないように、以下の3つのポイントを押さえておくと親切です。
1. エアコン周辺の荷物や家具の移動
エアコンの真下に1畳分ほどの作業スペースが必要になります。脚立を立てて作業するため、テレビや棚、ソファなどがある場合は事前に移動させておきましょう。
動かすのが難しい重い家具がある場合は、事前に業者に相談してください。ビニールで養生してくれる場合もありますが、あらかじめスペースを空けておくと作業時間が短縮されます。
2. 掃除で水道とお風呂場を借りる理由
取り外したプラスチックのカバーやフィルターは、お風呂場やベランダの水道を使って洗います。そのため、お風呂場周辺の荷物も少し片付けておくとスムーズです。
洗い終わった後は、業者側で排水口のゴミ取りや掃除をしてくれることがほとんどです。どうしても家の中を貸したくない場合は、外の立水栓が使えるかを伝えておきましょう。
3. 作業開始から終了までにかかる時間の目安
1台あたりの作業時間は、通常タイプで1時間から1.5時間程度です。お掃除機能付きの場合は3時間近くかかることもあります。
作業中はエアコン周辺に立ち入ることはできませんが、別の部屋で過ごしていても問題ありません。最後に動作確認と同席が必要になるため、余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。
おわりに
エアコンクリーニングを業者に頼むことは、単に見た目を綺麗にする以上の価値があります。プロの技術によってカビを徹底除去すれば、家族の健康を守り、電気代を節約し、エアコンの寿命まで延ばせます。自分で無理をして故障させるリスクを考えれば、1万円前後の費用は決して高くありません。
もし今のエアコンから変な臭いがしたり、吹き出し口に黒い点を見つけたりしたら、それがプロに頼むべき合図です。まずは近くの業者の口コミをチェックしたり、見積もりを依頼したりすることから始めてみましょう。次のシーズンを快適に迎えるために、今からスケジュールの確認をおすすめします。
