エアコンの汚れが気になるとき、プロに頼む費用はいくらか気になります。壁掛けエアコンクリーニングの相場は、機種のタイプによって大きく変わるからです。一般的なタイプと高機能タイプの違いを正しく知ることで、見積もりを見て驚くこともなくなります。
納得感のある料金で依頼するには、事前の知識が欠かせません。この記事では、壁掛けエアコンクリーニングの相場と、一般的なタイプと高機能タイプの違いを詳しく解説します。あなたの家にあるエアコンに最適なプランを見つけて、清潔な空気を取り戻しましょう。
壁掛けエアコンクリーニングの料金相場
エアコンクリーニングの料金は、作業の難易度に比例して決まります。業者によって設定は異なりますが、市場全体のボリュームゾーンは決まっています。事前に大まかな金額を把握しておくと、予算が立てやすくなるはずです。
ここでは、最も普及している壁掛けエアコンの料金目安をまとめました。一般的な機種と、お掃除機能がついた高機能な機種では、金額の差が顕著に現れます。それぞれの相場と、お得になるケースについて見ていきましょう。
1. 一般的なタイプの費用目安
一般的な壁掛けエアコンのクリーニング費用は、8,000円から12,000円程度が目安です。個人経営の業者の場合は8,000円を切ることもあります。一方で、大手のハウスクリーニング会社では12,000円前後に設定されていることが多いです。
このタイプは内部構造がシンプルなため、作業も比較的スムーズに進みます。汚れがひどい場合でも、基本料金が変わることはほとんどありません。洗剤の種類や消臭効果の有無で、多少のオプション料金が加算される仕組みです。
2. 高機能タイプの費用目安
お掃除機能が搭載された高機能タイプの場合、相場は15,000円から25,000円ほどになります。一般的なタイプと比較すると、5,000円から10,000円ほど高くなる計算です。これは分解作業に特別な技術が必要になるためです。
特に海外メーカーや、国産メーカーのフラッグシップモデルは構造が非常に複雑です。そのため、基本料金が20,000円を超えるケースも珍しくありません。見積もりを取る際は、必ず「お掃除機能付き」であることを伝える必要があります。
3. 2台目以降の複数台割引
多くの業者が、2台以上の同時申し込みで割引を適用しています。2台目以降は1,000円から2,000円ほど安くなるのが一般的です。1台ずつ別の日にお願いするよりも、まとめて依頼する方が交通費の節約にも繋がります。
寝室とリビングのエアコンを一緒に掃除すれば、合計金額を抑えることが可能です。家族や近所の方と一緒に申し込むことで、グループ割引を受けられる業者もあります。複数台ある場合は、一度に済ませるのが最も効率的な節約術です。
一般的なタイプと高機能タイプの違い
なぜ機種によって、これほどクリーニング料金が変わるのでしょうか。その理由は、エアコン内部の作りと、作業員の負担の大きさにあります。単に機能が多いだけでなく、メンテナンスのしやすさに大きな差があるのです。
一般的なタイプと高機能タイプの違いを理解すると、価格差の理由に納得できます。ここでは、構造や作業時間、そして故障のリスクといった観点から比較しました。それぞれの特徴を確認して、クリーニングへの理解を深めてください。
| 比較項目 | 一般的なタイプ | 高機能タイプ(お掃除機能付) |
| 料金相場 | 8,000円~12,000円 | 15,000円~25,000円 |
| 作業時間 | 約1時間~1.5時間 | 約2.5時間~4時間 |
| 内部構造 | シンプルで分解しやすい | 複雑なロボットユニットがある |
| 故障リスク | 低い | やや高い(配線が多いため) |
1. 内部構造の複雑さと部品数
一般的なエアコンは、外枠のパネルを外すとすぐに熱交換器が見えます。部品の数が少なく、洗浄液をかけるための準備も短時間で終わります。シンプルゆえに、隅々まで汚れを落としやすいのがメリットです。
対して高機能タイプは、フィルターを動かすためのロボットユニットが重なっています。このユニットには精密なモーターや複雑なギアが含まれています。洗浄前にこれらを全て取り外す必要があり、部品の数は数倍に跳ね上がります。
2. クリーニング作業にかかる時間
一般的なタイプであれば、到着から片付けまで1時間程度で終わることもあります。養生と洗浄の工程がパターン化されているため、手際よく進められます。忙しい時間帯でも、隙間時間で依頼しやすいのが特徴です。
高機能タイプは、分解だけで1時間を要することも珍しくありません。組み立てにも同じくらいの時間がかかるため、合計で3時間以上かかる場合があります。作業スペースを長く専有するため、当日のスケジュールには余裕を持たせておきましょう。
3. 故障リスクと専門技術の必要性
一般的なエアコンは構造が明快で、水の侵入を防ぐべきポイントが限られています。そのため、経験の浅いスタッフでも比較的安全に作業ができます。もちろんプロの技術は必要ですが、致命的なミスは起きにくい設計です。
高機能タイプは、無数の配線やセンサーが張り巡らされています。少しでも養生が甘かったり、配線の接続を間違えたりすると故障の原因になります。専門のトレーニングを受けたスタッフでないと、対応を断られることもあるほど繊細な作業です。
お掃除機能付きエアコンの具体的な見分け方
「自分の家のエアコンが高機能タイプか分からない」という方は多いです。見た目が似ているため、誤解したまま見積もりを依頼してしまうケースがあります。当日になって料金が上がらないよう、事前に正しく判別することが大切です。
お掃除機能付きかどうかを見分けるポイントは、いくつかあります。リモコンや本体の形状をチェックするだけで、誰でも簡単に判断可能です。以下の3つの方法を使って、自宅のエアコンの種類を確認してみましょう。
1. リモコンにあるボタンの名称
最も簡単な確認方法は、リモコンのボタンを見ることです。「手動掃除」や「フィルター掃除」といったボタンがあれば、お掃除機能付きです。単なる「内部クリーン」や「内部乾燥」ボタンとは意味が異なります。
「内部クリーン」は、冷房後の湿気を飛ばすための機能で、ほとんどの機種に付いています。これだけでは高機能タイプとは呼びません。フィルターを機械的に清掃するボタンの有無が、料金を分ける重要な境目になります。
2. エアコン本体の厚みと奥行き
エアコンを横から見たときに、厚みがある場合は高機能タイプの可能性が高いです。お掃除ユニットを内蔵しているため、どうしても奥行きが大きくなります。一般的なタイプよりも、壁から前へせり出しているのが特徴です。
最近の薄型モデルでも、高機能タイプは内部がぎっしり詰まっています。見た目がスタイリッシュでも、中を開けると複雑な構造をしていることが多いです。本体の型番をインターネットで検索すれば、確実な仕様を特定できます。
3. フィルター部分のダストボックス
前面パネルを開けて、フィルターの周辺を観察してみてください。小さなプラスチックの箱(ダストボックス)が付いていれば、お掃除機能付きです。ここにフィルターから集めたホコリが溜まる仕組みになっています。
一般的なタイプは、網目状のフィルターが剥き出しで装着されています。ダストボックスがなく、自分でフィルターを取り外して洗うだけの構造です。この箱の有無が、分解作業の難易度を大きく左右するポイントとなります。
高機能タイプのクリーニング費用が高い理由
高機能タイプの料金設定には、しっかりとした根拠があります。単に「高い機種だから」というわけではなく、作業工程の過酷さが反映されています。業者側も、より高い技術と慎重さを求められるからです。
具体的にどのような手間がかかっているのかを知れば、20,000円前後の料金も納得できるでしょう。作業の裏側にある3つのハードルについて解説します。これらは、一般的なタイプには存在しない追加のプロセスです。
1. お掃除ロボットの取り外しと組み立て
最大の理由は、お掃除ロボットユニットの着脱作業です。これは単にネジを外すだけでなく、複雑にはまり込んだパーツを順番に解いていく作業です。メーカーごとに構造が異なるため、高度なパズルを解くような集中力が必要です。
もしネジ1本でも余らせたり、ツメを折ったりすれば、正常に動作しなくなります。この緊張感を伴う作業が、技術料として料金に含まれています。組み立て後も、センサーが正しく反応するかどうかの動作確認が必須です。
2. 配線の取り回しやセンサーへの配慮
高機能タイプには、汚れを検知するセンサーや、モーターを動かすための電線が密集しています。これらは水に非常に弱く、一滴でもかかれば基板がショートしてしまいます。そのため、ビニールやテープを使った「養生」に膨大な時間がかかります。
一般的なタイプよりも、水の飛散に神経を使う必要があります。洗浄中も、常にセンサーの位置を意識しながら高圧洗浄機を操らなければなりません。この細やかな配慮が、作業時間の延長とコストアップに繋がっています。
3. 作業スタッフに求められる専門知識
すべてのクリーニングスタッフが、高機能タイプを分解できるわけではありません。各メーカーの構造を熟知した、熟練のスタッフが担当することが多いです。そのため、人件費が通常よりも高く設定される傾向にあります。
研修コストや、最新機種への対応マニュアル作成など、業者側の維持費もかかっています。高い料金を支払うことは、それだけ安心を買っているとも言えます。専門知識のない人が無理に分解すると、取り返しのつかない故障を招くからです。
室外機や抗菌コートなど追加費用の相場
基本のクリーニング以外にも、オプションメニューが用意されていることが一般的です。これらを組み合わせることで、エアコンの寿命を延ばしたり、清潔さを長く保ったりできます。ただし、追加費用が発生するため取捨選択が必要です。
代表的なオプションの相場を知っておくと、見積もりの比較がスムーズになります。本当に必要なものだけを選べるよう、それぞれの内容を確認しましょう。以下のテーブルに、よくあるオプションの料金をまとめました。
| オプション名 | 料金相場 | 主な効果 |
| 室外機洗浄 | 3,000円~5,000円 | 節電効果・動作音の軽減 |
| 防カビ・抗菌コート | 2,000円~4,000円 | カビの繁殖を抑える |
| ドレンホース洗浄 | 2,000円~3,000円 | 排水詰まりの解消・虫除け |
1. 室外機クリーニングの効果と料金
室外機の洗浄は、3,000円から5,000円程度で依頼できます。室外機の裏側にあるアルミフィンが詰まると、熱交換の効率が落ちてしまいます。これを掃除することで、エアコンの効きが良くなり、電気代の節約に繋がります。
室外機は外にあるため、室内機ほど頻繁に掃除する必要はありません。しかし、枯れ葉やホコリが目立つ場合は、セットで頼むのがお得です。動作時の騒音が気になり始めたときも、室外機洗浄が効果を発揮します。
2. 抗菌・防カビコートのメリット
洗浄後の綺麗な状態を長持ちさせるのが、抗菌・防カビコートです。相場は2,000円から4,000円ほどで、吹き出し口や熱交換器に専用の薬剤を噴霧します。カビの胞子が付きにくくなり、嫌なニオイの発生を遅らせる効果があります。
小さな子供がいる家庭や、アレルギー体質の方がいる場合は、特におすすめのオプションです。業者によっては、キャンペーンで無料提供していることもあります。次のクリーニングまでの期間を延ばせるため、トータルコストではお得になる場合も多いです。
3. 駐車料金や遠方への出張費用
意外と見落としがちなのが、駐車場代や出張費です。自宅に駐車スペースがない場合、近隣のコインパーキング代が実費請求されることがあります。業者によっては「駐車場代無料」を掲げているところもあります。
また、対応エリア外からの依頼では、1,000円から3,000円程度の出張費がかかる場合があります。見積もりの総額にこれらの諸経費が含まれているか、必ず確認しましょう。当日のトラブルを避けるための、大切なチェックポイントです。
エアコンクリーニングを安く依頼するコツ
プロの技術が必要とはいえ、できるだけ費用は抑えたいものです。実は、依頼するタイミングや方法を工夫するだけで、数千円単位で安くなることがあります。賢くサービスを利用するためのポイントをいくつか紹介します。
料金を安くするには、業者の都合に合わせる視点が有効です。忙しい時期を避けたり、一度にたくさんの仕事を依頼したりするのが効果的です。今日から実践できる3つの節約術を見ていきましょう。
1. 春や秋の閑散期キャンペーンを狙う
エアコンクリーニングの需要が爆発するのは、6月から8月の夏場です。この時期は予約が取りづらく、料金も強気に設定されがちです。逆に、4月から5月の春や、9月から10月の秋は閑散期となり、割引キャンペーンが多く実施されます。
「早割」や「秋の感謝祭」などの名称で、通常より20%程度安くなることもあります。急ぎでない場合は、冷暖房を本格的に使わない時期まで待つのが賢明です。予約も希望通りに取りやすく、余裕を持って作業してもらえます。
2. 複数台まとめて依頼して単価を下げる
先述の通り、複数台割引は非常に強力な節約手段です。リビング、寝室、子供部屋など、家中にあるエアコンを一度に点検してもらいましょう。業者にとっても一度の訪問で多くの利益が出るため、大幅な値引き交渉がしやすくなります。
もし自分の家に1台しかない場合は、親戚や近所の人と同時に申し込むのも手です。訪問先が近ければ、同じように割引を適用してくれる業者も存在します。1台あたりの出張コストを薄めることが、安さの秘訣です。
3. 個人業者と大手業者の価格を比較する
「くらしのマーケット」などのマッチングサイトを利用して、個人業者を探すのも有効です。大手に比べて広告費や中間マージンがかからないため、相場よりも安く設定されています。口コミを参考にすれば、質の高い業者を低価格で見つけられます。
一方で、大手業者は研修制度が整っており、技術の均一化が進んでいます。価格だけでなく、保証内容やアフターサポートの充実度も考慮して選びましょう。自分にとって「価格」と「安心感」のどちらが優先か、バランスを考えることが大切です。
クリーニングを依頼する適切な頻度と時期
エアコン掃除は、一度やれば終わりというわけではありません。使用環境によって汚れの溜まり方は異なりますが、目安となる周期があります。適切な頻度で行うことで、エアコンを常にベストな状態に保てます。
また、依頼する時期によってクリーニングの効果も変わってきます。効率よく綺麗な状態をキープするためのタイミングを知っておきましょう。ここでは、推奨される頻度と、最もおすすめの実施時期を提案します。
1. 2年から3年に1回の定期的な洗浄
一般家庭でのクリーニング頻度は、2年から3年に1回が目安とされています。お掃除機能付きであっても、内部のカビや細かいホコリまでは完全に防げません。定期的な洗浄を怠ると、汚れが固着して落ちにくくなってしまいます。
ただし、リビングのように長時間稼働させる部屋や、キッチン近くのエアコンは汚れが早いです。油分を含んだ空気を吸い込むため、1年から2年での洗浄が望ましいでしょう。吹き出し口を覗いてみて、黒い点々が見えたら洗浄のサインです。
2. 冷房を使い始める前の4月から5月
1年の中で最もおすすめの時期は、春の4月から5月です。冷房を使い始めると、エアコン内部で結露が発生し、カビが一気に増殖します。その前に内部を綺麗にしておくことで、シーズン中を清潔な空気で過ごせます。
また、春は業者のスケジュールが比較的空いています。自分の都合の良い日時に予約を入れやすく、丁寧な説明を受けやすい時期でもあります。暑くなってから慌てて申し込むよりも、先回りして準備しておくのがスマートです。
3. 暖房シーズン前の10月から11月
次に適しているのが、秋の10月から11月です。夏の間に発生したカビや、吸い込んだホコリをリセットするのに最適な時期です。そのまま暖房を使うと、乾燥したカビの胞子が部屋中に舞い散ることになります。
秋にクリーニングをしておけば、冬の暖房効率も良くなります。電気代がかさみがちな冬場に向けて、エアコンの燃費を改善しておくメリットは大きいです。年末の大掃除の一環として、少し早めに取り組むのも良いでしょう。
業者選びで失敗しないためのポイント
クリーニングの料金だけで業者を選んでしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。「作業後に不具合が出た」「追加料金を請求された」といった事例も少なくありません。信頼できるパートナーを選ぶための基準を持ちましょう。
チェックすべき項目は、技術力以外にもいくつかあります。特にトラブルが発生した際の対応力は、安心感に直結します。契約前に必ず確認しておきたい3つの重要ポイントをまとめました。
1. 損害賠償保険に加入しているか
万が一、作業中にエアコンが故障したり、家財を傷つけたりした場合の備えです。プロであっても、予期せぬ事故が起きる可能性はゼロではありません。損害賠償保険に加入している業者なら、修理費用を全額補償してもらえます。
個人業者の場合、保険に入っていないケースが稀にあります。サイトのプロフィール欄や契約書に「保険加入済み」の記載があるか確認しましょう。自分の大切な資産を守るために、最も優先すべきチェック項目です。
2. 料金体系と追加費用の有無が明確か
見積もりの時点で、支払う総額が確定しているかどうかが重要です。「当日、汚れがひどいので追加料金をいただきます」という業者は避けましょう。まともな業者であれば、汚れ具合で金額を変えることはありません。
駐車場代、出張費、消費税が含まれているかを確認してください。また、当日にお掃除機能付きだと判明した場合の差額についても、事前に聞いておくと安心です。不透明な追加費用がないことが、誠実な業者の証と言えます。
3. 利用者の口コミや過去の評判
業者の実態を知るには、実際に利用した人の声を聞くのが一番です。公式サイトの良い口コミだけでなく、外部のレビューサイトも確認してみましょう。特に、悪い評価に対してどのような返信をしているかに注目してください。
返信が丁寧で誠実な業者は、アフターフォローも期待できます。逆に、返信がなかったり攻撃的な態度だったりする場合は注意が必要です。写真付きのレビューがあれば、当日の作業風景や養生の丁寧さを具体的にイメージできます。
自分で掃除する場合とプロに任せる際の違い
最近では、市販のエアコン洗浄スプレーなども増えています。自分でやれば費用は数百円で済みますが、プロのクリーニングとは何が違うのでしょうか。安易なDIYは、時として高くつく失敗を招くこともあります。
プロの仕事には、専用の道具と長年の経験が詰まっています。単に綺麗にするだけでなく、エアコンの機能を維持するための工夫が随所に施されています。自分で行う場合との決定的な3つの違いを解説します。
1. 高圧洗浄機による深部のカビ除去
市販のスプレーでは、フィンの表面の汚れしか落とせません。また、水圧が弱いため、洗剤が内部に残ってしまうリスクがあります。これが数ヶ月後、逆にカビの餌になってしまうという悪循環も珍しくありません。
プロは専用の高圧洗浄機を使い、大量の水で内部を洗い流します。フィンの奥深くや、ファンの隙間に入り込んだ汚れまで根こそぎ排出します。バケツに溜まった真っ黒な水を見れば、その洗浄力の差は一目瞭然です。
2. 故障を防ぐための適切な養生技術
エアコンは精密機械です。電装部品に少しでも水がかかれば、基板がショートして壊れます。プロは、最も重要な電装部を厚手のビニールやマスキングテープで何重にも保護します。この「養生」こそが、クリーニングで最も技術を要する工程です。
自分でやる場合、この保護が不十分になりがちです。霧吹きやスプレーが基板にかかってしまい、クリーニング後に電源が入らなくなるトラブルが多発しています。リスクを回避し、安全に洗浄できるのがプロに任せる最大の価値です。
3. 周辺を汚さないための徹底した準備
エアコンを洗う際は、汚水が周囲に飛び散らないようにしなければなりません。プロは専用の洗浄カバーを取り付け、ビニールカーテンで壁や床、家具を完全にガードします。作業後の部屋が、作業前よりも汚れているようなことは決してありません。
自分でやるとなると、この準備だけで数時間を要します。また、汚水の処理も大変です。プロならテキパキと準備を整え、ゴミ一つ残さずに撤収してくれます。時間と労力、そして部屋の清潔さを考えれば、プロへの依頼はコスパが良いと言えます。
クリーニングが必要な汚れやニオイのサイン
「まだ掃除しなくても大丈夫かな?」と迷っているなら、エアコンの状態を観察してみましょう。汚れは目に見えるところだけでなく、内部で静かに進行しています。放置すると健康被害や故障のリスクが高まるため、早めの対処が必要です。
以下のサインが1つでも当てはまるなら、プロのクリーニングを検討すべき時期です。特に夏場や冬場の使い始めに気づくことが多いサインを3つ挙げます。自分のエアコンが発信している「悲鳴」を見逃さないでください。
1. 吹き出し口に見える黒いカビ
エアコンを止めた状態で、吹き出し口の奥をライトで照らしてみましょう。風を送るファンやルーパー(羽)に黒い点々が付いていたら、それはカビです。この状態で運転すると、カビの胞子を部屋中に撒き散らしていることになります。
吹き出し口に見えるカビは、氷山の一角です。見えるところにカビがあるなら、手の届かない内部はさらに深刻な状態になっています。健康を守るためにも、早急にプロの手による洗浄をおすすめします。
2. 運転開始時の酸っぱいニオイ
スイッチを入れた瞬間に、酸っぱいような嫌なニオイがしませんか。これは、内部に溜まった汚れやカビ、そして雑菌が繁殖している証拠です。エアコンを使い続けるうちに鼻が慣れてしまいますが、ニオイの元は消えていません。
特に、数ヶ月ぶりにエアコンをつけたときはニオイに気づきやすいです。このニオイを市販の消臭スプレーで誤魔化すのは逆効果です。根本的な原因である汚れを取り除かない限り、ニオイが消えることはありません。
3. 効きの悪化や電気代の急な上昇
「設定温度にしてもなかなか冷えない(暖まらない)」と感じたら、汚れが原因かもしれません。熱交換器にホコリが詰まると、熱を効率よく伝えることができなくなります。その分、エアコンはフルパワーで動こうとし、電気代が跳ね上がります。
クリーニングをすると風量が復活し、驚くほど効きが良くなります。結果として節電になり、ひと夏の電気代差額でクリーニング費用が賄えることもあります。エアコンのパフォーマンスを維持するためにも、清掃は欠かせません。
作業当日の流れと事前に準備すること
いざ業者を呼ぶとなると、何を準備しておけば良いか不安になるものです。プロの作業をスムーズに進めてもらうために、ちょっとした心遣いが喜ばれます。当日の作業がスムーズにいけば、それだけ早く終わるメリットもあります。
特別なことは必要ありませんが、いくつかのポイントを押さえておくだけで十分です。作業当日の一般的な流れと、事前にやっておくと助かる準備を3つ紹介します。当日の立ち会いも、これを知っていれば安心です。
1. エアコン周辺の荷物や家具の移動
エアコンの真下に脚立を立てて作業します。そのため、エアコンの下にあるテレビやソファ、パソコンなどは移動させておきましょう。スペースを空けておくだけで、業者はすぐに養生を始められます。
重くて動かせない家具がある場合は、事前に相談しておけば大丈夫です。業者が布やビニールで保護してくれますが、貴重品や濡れて困るものは別の場所へ移しておきましょう。スムーズな動線の確保が、作業時間の短縮に繋がります。
2. お風呂場やベランダなど洗い場の確保
取り外したパネルやフィルター、ダストボックスなどは、水洗いが必要です。お風呂場やベランダ、あるいは外の水道を借りることになります。あらかじめ、洗い場として使える場所を片付けておくと親切です。
お風呂場を貸す場合は、シャンプーボトルなどを端に寄せておくだけで構いません。プロは作業後にお風呂場の排水口まで綺麗に掃除して帰るのが一般的です。水の使用を許可しておくことで、徹底的な洗浄が可能になります。
3. 作業時間の確認と立ち会いの準備
作業中は立ち会いが必要なケースがほとんどです。一般的なタイプで1時間から1.5時間、高機能タイプで3時間程度を見込んでおきましょう。途中、汚れの確認や動作テストなどで声をかけられることがあります。
当日は電源を借りるため、コンセント周りも確認しておくと良いです。また、バケツの水が真っ黒になる「汚水の確認」は、クリーニングの醍醐味でもあります。綺麗になった様子を自分の目で見ることで、安心感も高まります。
まとめ
壁掛けエアコンクリーニングの相場は、一般的なタイプで8,000円から12,000円、高機能タイプで15,000円から25,000円ほどです。構造の複雑さや作業時間の違いが、この価格差を生んでいます。自分の機種がどちらのタイプかを正しく把握することが、予算を抑える第一歩となります。
今日からできる具体的なアクションとして、まずは自宅のエアコンの型番を確認してみましょう。リモコンに「お掃除」ボタンがあるかチェックするだけでも、見積もりの精度が上がります。そして、冷暖房が不要な春や秋のうちに予約を入れて、お得に清潔な環境を手に入れてください。早めの対策が、エアコンの寿命を延ばし、快適な毎日を守ることに繋がります。
