エアコンを使っている時に、突然「ゴーゴー」という低い音が聞こえてくると不安になります。この音は、単なる空気の通り道の問題から、機械の深刻な故障まで、さまざまな理由で発生します。
まずは音がどこから聞こえるかを確認してください。この記事では、エアコンからゴーゴー音がする原因を詳しくまとめました。ファンや室外機の状態、さらにはお部屋の環境まで、チェックすべきポイントをわかりやすくお伝えします。
エアコンからゴーゴー音がする主な原因とは?
エアコンからゴーゴー音がする原因は、主に3つの要素に分かれます。1つ目は気圧の影響、2つ目は内部の汚れ、3つ目は機械的な負荷です。音が鳴るタイミングや場所を特定することで、自分で解決できる問題かどうかが判断できます。まずは代表的な原因を順番に見ていきましょう。
1. 室内と屋外の気圧差による空気の逆流
ゴーゴーという音の多くは、外気がドレンホースから逆流することで発生します。気密性の高い住宅では、部屋の空気が外へ逃げにくくなっています。
そこでエアコンが動くと、わずかな隙間から外気を取り込もうとします。この時、排水用のホースを通る空気が水と混ざり、ゴーゴーやポコポコという音を鳴らします。
2. 室内機のファンに付着したホコリの影響
エアコン内部にある筒状のファンにホコリが溜まると、風の通り道が乱れます。スムーズに空気が流れなくなり、ゴーゴーという風切り音が大きくなるのです。
汚れが蓄積するとファンの重心がズレてしまいます。回転が不安定になることで、振動を伴うような重い音が響くようになります。
3. 室外機が高負荷で運転している状態
室外機が激しく音を立てている場合は、コンプレッサーに過度な負担がかかっています。特に真夏や真冬など、設定温度と外気温の差が大きい時に起こりやすい現象です。
無理に冷やしたり暖めたりしようとして、モーターがフル回転しています。一時的なものであれば問題ありませんが、ずっと続く場合は設置環境の見直しが必要です。
換気扇を回すとゴーゴー音が鳴る理由
キッチンや浴室の換気扇をつけた瞬間に音が鳴り出すなら、それは「気圧差」が原因です。部屋の空気が強制的に外へ出されることで、室内が真空に近い状態になります。外から空気を取り込もうとする力が働き、エアコンのホースがその空気の通り道になってしまう現象です。
1. マンションなどの高い気密性が関係する仕組み
最近のマンションは非常に気密性が高く、窓を閉めると空気の出入りがほとんどありません。この状態で換気扇を回すと、室内の気圧が急激に下がります。
外の空気は、最も入りやすいドレンホースを通って室内へ流れ込もうとします。この空気の勢いが、ゴーゴーという独特の異音を作り出しています。
2. 窓を開けると音が消えるか確認する重要性
音が鳴っている時に、少しだけ窓を開けてみてください。もし窓を開けて音が消えるのであれば、エアコンの故障ではありません。
窓から空気が入ることで部屋の気圧が元に戻り、ホースからの逆流が止まった証拠です。この場合は、空気の取り入れ口を確保するだけで解決します。
3. 給気口が閉じている時の空気の通り道
壁にある「給気口」が閉じたままになっていませんか。換気扇を使う時は、必ず給気口を開けて空気のルートを作る必要があります。
給気口が塞がっていると、エアコンの細いホースに負担が集中します。こまめに給気口のフィルターを掃除し、常に空気が通る状態にしておきましょう。
室内機のファンやモーターに起きているトラブル
室内機から直接ゴーゴーと音がする場合は、内部の回転体に問題があるかもしれません。長年の使用で部品が消耗したり、ゴミが絡まったりしているケースです。特に風量を強くした時に音が大きくなるなら、ファン周りのトラブルを疑ってみるべきです。
1. ファンの回転バランスが崩れている可能性
室内機のファンにホコリが不均等に付着すると、回転のバランスが損なわれます。洗濯機が偏った状態で脱水する時にガタガタ鳴るのと似た状態です。
この振動がエアコンのプラスチック製のボディに伝わり、大きな共鳴音となって響きます。放置すると、回転軸そのものが曲がってしまう恐れもあります。
2. ベアリングの摩耗や潤滑不足による異音
ファンを回すモーターには、滑らかに動かすためのベアリングが入っています。この部品のオイルが切れたり、経年劣化で摩耗したりすると異音が発生します。
「ゴー」という音に「キュルキュル」という高い音が混ざる場合は要注意です。部品の交換が必要なサインですので、早めにメーカーへ相談しましょう。
3. 送風口付近に溜まった大きなゴミの詰まり
吹き出し口の奥に、剥がれ落ちた古いフィルターの破片や大きな綿ゴミが詰まっていることがあります。これが回転するファンに接触して音を出しているケースです。
風の流れが遮られることで、異常な風切り音が発生することもあります。ライトで照らして、目に見える範囲に異物がないかチェックしてください。
エアコンフィルターの掃除不足による影響
フィルターの詰まりは、異音の最も身近な原因です。空気を吸い込む力が遮られると、エアコンは無理に空気を吸おうとしてエネルギーを浪費します。その結果、吸気音が通常よりも大きくなり、ゴーゴーという騒音に繋がってしまいます。
1. 吸い込み口が塞がり空気抵抗が増える状態
フィルターがホコリで真っ白になっていると、空気の入り口が狭くなります。ストローで無理に飲み物を吸う時のように、強い抵抗が発生します。
この抵抗が「ゴー」という重苦しい吸気音の原因です。まずはフィルターを取り外し、水洗いして完全にホコリを取り除いてみてください。
2. フィルターが浮いて振動している時の音
掃除の後にフィルターが正しく装着されていないと、運転中の振動でカタカタ、ゴーゴーと鳴ることがあります。わずかな隙間が振動を増幅させます。
ツメがしっかりとはまっているか、枠に歪みがないかを確認してください。正しくセットするだけで、驚くほど静かになることも珍しくありません。
3. 長年放置した油汚れがファンに及ぼす影響
キッチンの近くにエアコンがある場合、フィルターを通り抜けた油煙がファンにこびりつきます。油はホコリを吸着しやすく、頑固な塊を作ります。
こうなると、通常の掃除では汚れが落ちません。ファンが重くなり、回るたびに低い唸り音を上げるようになります。専門業者による洗浄が必要です。
室外機からゴーゴーと大きな音がする原因
室外機は外に置かれているため、過酷な環境にさらされています。室内機よりも大きな部品を動かしているため、トラブルが起きると非常に大きな音を立てます。近所迷惑になる前に、音の正体を突き止めて対策を講じることが大切です。
1. プロペラファンに枯れ葉などが接触している状態
室外機の中に枯れ葉や小枝が入り込み、回転するファンに当たっていることがあります。自転車の車輪に紙を挟んだような、連続的な音が出るのが特徴です。
隙間から覗いて異物が見える場合は、電源を切ってから慎重に取り除きます。ただし、奥にある場合は分解が必要なため、無理は禁物です。
2. コンプレッサーの劣化や部品の摩耗
室外機の心臓部であるコンプレッサーが寿命を迎えると、激しい異音を発します。金属同士が擦れるような重い音が、外壁を伝って室内まで聞こえることもあります。
10年以上使用している場合は、修理よりも買い替えを検討する時期かもしれません。古い機種は電気代も高くつくため、最新機種への交換がお得な場合もあります。
3. 熱交換器の目詰まりによる冷却効率の低下
室外機の裏側にあるアルミのフィン(熱交換器)が汚れていると、熱をうまく逃がせません。すると、機械が無理をしてファンを高速回転させようとします。
裏側にペットの毛や枯れ葉が張り付いていないか確認してください。ここを掃除するだけで、室外機の回転が落ち着き、音が静かになることがあります。
設置状況による室外機の振動や騒音トラブル
機械自体に問題がなくても、置き方が悪いだけでゴーゴーという音が響くことがあります。振動が建物と共鳴してしまう現象です。特にマンションのベランダは音が反響しやすいため、設置環境のわずかなズレが大きなストレスに繋がります。
1. 架台や地面が不安定で共振しているケース
室外機を置いているプラスチック製の台(プラロック)がガタついていると、振動が増幅されます。地面が砂利だったり、傾斜があったりすると不安定になりやすいです。
手で軽く押してみて、グラつきがないかチェックしましょう。レンガやブロックの上に直接置いている場合も、振動を吸収できずに音が大きくなります。
2. 防振ゴムの劣化で壁に音が伝わる原因
室外機の脚部分に敷いてあるゴムが、雨風で硬くなっていることがあります。ゴムが硬化すると振動を吸収できず、ベランダの床や壁に直接振動が伝わります。
これが「ゴー」という低い振動音の正体です。ホームセンターなどで売られている新しい「防振パット」を敷き直すだけで、劇的に改善することがあります。
3. 賃貸のベランダなど狭い場所での排熱不良
狭いベランダに荷物をたくさん置いていると、室外機の前に熱がこもります。自分の出した熱を再び吸い込んでしまい、機械がオーバーヒート寸前になります。
効率が悪くなるため、フルパワーでの運転を止められず、ずっと大きな音が鳴り続けます。室外機の周囲30cm以内には物を置かないようにしましょう。
冬の暖房運転中に音が大きくなる理由
暖房は冷房よりも高いパワーを必要とします。そのため、冬場だけエアコンの音が気になるというケースは非常に多いです。故障と思われがちですが、エアコンの仕組み上避けられない音もあります。どのような音が正常の範囲内なのかを知っておきましょう。
1. 設定温度と外気温の差が激しくフルパワーで動く時
冬の冷え込んだ朝などは、エアコンが設定温度まで一気に部屋を暖めようとします。この時、コンプレッサーは最大出力で稼働します。
「ゴーッ」という地響きのような音がするのは、頑張って暖めている証拠です。部屋が暖まるにつれて音は小さくなっていくので、しばらく様子を見てください。
2. 霜取り運転による冷媒の流れの変化と異音
外気温が低いと、室外機に霜がつきます。これを取り除くために「霜取り運転(プレヒート)」が始まります。この際、冷媒の流れが切り替わり、独特の音がします。
ブシュッという音の後にゴーという音が続くことがありますが、これは正常な動作です。故障ではないため、運転が止まるまでそのまま待ちましょう。
3. 氷点下での運転で室外機にかかる負担
外が氷点下になると、暖房効率が著しく低下します。室外機は凍結を防ぎながら運転するため、通常よりも激しい振動を伴うことがあります。
寒冷地仕様ではないエアコンの場合、極寒の中での運転はかなりの重労働です。あまりに音がひどい場合は、設定温度を少し下げるなどの配慮が必要になります。
ゴーゴー音が故障によるものか判断する基準
その異音が「すぐに修理が必要なもの」か、それとも「様子を見ていいもの」かを見極める必要があります。判断のポイントは、音の継続性と種類の組み合わせです。以下の表で、異音の状態と危険度を整理しました。
| 音の状態 | 推定される原因 | 緊急度 |
| 窓を開けると消える | 気圧差(空気の逆流) | 低(対策可能) |
| 風量を下げると小さくなる | フィルターやファンの汚れ | 中(掃除が必要) |
| 金属が擦れるような「キィィ」音 | モーター軸の摩耗 | 高(修理が必要) |
| 運転停止後もずっと鳴っている | 電子基板やセンサーの異常 | 高(点検が必要) |
1. 運転を止めても音がしばらく続くかどうかの確認
リモコンで電源を切った後、すぐに音が止まりますか。もし電源を切っても数分間ゴーという音が続くなら、機械が内部で何かを処理しているか、残った熱を逃がしています。
しかし、10分以上経っても鳴り止まない場合は異常です。センサーが故障して止まらなくなっている可能性があるため、コンセントを抜いて点検を依頼してください。
2. 金属が擦れるような高い音が混ざる時
ゴーゴーという音の中に「キーン」や「ガリガリ」といった金属音が混ざる場合は、物理的な破損のサインです。内部のファンがケースに接触しているかもしれません。
そのまま使い続けると、火花が出たり発火したりするリスクもあります。異音が明らかに不自然で激しい場合は、すぐに使用を中止してください。
3. 風量が安定せず強まったり弱まったりする現象
音と一緒に風の出方が不安定な場合は、制御系かファンの回転に問題があります。ホコリが詰まって風を押し出せないか、モーターの出力が安定していません。
これは故障の初期症状であることが多いです。完全に動かなくなる前に、プロの診断を受けることで修理代を安く抑えられる可能性があります。
自分でできるゴーゴー音の対策方法
深刻な故障でなければ、自分自身のメンテナンスで解決できる場合がほとんどです。まずは身近なところから手を付けてみましょう。特に気圧差が原因の場合は、数百円程度のアイテムで簡単に音を消すことができます。
1. フィルターを外してホコリを取り除く手順
まずは基本のフィルター掃除です。掃除機でホコリを吸い取るだけでなく、裏側からシャワーを当てて水洗いすると目詰まりがしっかり解消されます。
洗浄後は完全に乾かしてから取り付けてください。濡れたまま戻すとカビの原因になり、新たな異音や悪臭を招くことになります。
2. 換気口を開けて部屋の気圧バランスを整える
部屋全体の空気の流れを見直しましょう。24時間換気システムの給気口が閉じているなら、それを開けるだけでゴーゴー音が止まることがあります。
家具で給気口を塞いでいないかもチェックポイントです。空気の通り道を作ることは、エアコンの効率を上げることにも繋がります。
3. ドレンホースの先に消音バルブを取り付ける方法
気圧差による音には、因幡電工の「おあだち おとめちゃん」のような消音バルブが非常に有効です。ドレンホースの途中に差し込むだけで、空気の逆流を防いでくれます。
これは1,000円以下で購入でき、自分でも簡単に取り付け可能です。ポコポコ音やゴーゴー音に悩むマンション住まいの方には、最もおすすめの対策です。
業者にクリーニングや修理を依頼する目安
自分での掃除には限界があります。特にエアコン内部のファンや熱交換器の奥にある汚れは、専用の洗剤と高圧洗浄機を使わないと落としきれません。無理に自分で分解しようとすると、電気系統を濡らしてしまい故障させるリスクがあります。
1. 購入から5年以上経過して内部汚れが目立つ時
エアコンを使い始めて5年経つと、内部はカビやホコリでかなり汚れています。吹き出し口を覗いて黒い点々が見えるなら、それが異音の元凶かもしれません。
プロのクリーニングを受けると、ファンの回転がスムーズになり、音が静かになるだけでなく冷暖房の効きも見違えるほど良くなります。
2. クリーニング1台あたりの料金相場と作業時間
業者に頼む際の費用感を知っておくと安心です。一般的な壁掛けタイプであれば、1台10,000円前後が目安となります。
- 通常タイプ:8,000円〜12,000円
- お掃除機能付き:15,000円〜20,000円
- 室外機洗浄:プラス3,000円程度
作業時間は1台あたり1.5時間から2時間程度です。繁忙期の夏や冬を避け、春や秋に依頼するのがスムーズです。
3. メーカー修理を呼ぶべき症状と連絡先の確認
クリーニングをしても音が消えない、あるいはエラーコードが出ている場合はメーカー修理の出番です。保証期間内であれば、無償で部品交換をしてもらえる可能性があります。
保証書を手元に用意し、型番を確認してからサポートセンターへ電話しましょう。10年以上前の機種だと部品がないこともあるため、あらかじめ確認が必要です。
異音を放置することで発生するリスク
「音がするけれど、一応動いているから大丈夫」と放置するのは危険です。異音はエアコンが発している悲鳴のようなものです。初期段階で対処すれば数千円で済んだものが、放置したせいで数万円の出費に膨れ上がることも少なくありません。
1. 余計な負荷がかかり電気代が跳ね上がる可能性
音が鳴るほど無理をして動いているエアコンは、通常よりも多くの電力を消費します。フィルターが詰まっているだけで、電気代が20%以上アップすることもあります。
毎月の光熱費を節約するためにも、静かな運転状態を保つことは非常に重要です。異音に気づいたら、それは節約のチャンスだと考えましょう。
2. 故障部位が広がり高額な修理費がかかるケース
小さな振動を放置すると、その振動が他の精密部品を破壊することがあります。例えば、ファンのブレがモーターの軸受けを壊し、最終的に基板まで焼き切るという連鎖です。
早期にホコリを取り除いていれば防げた故障も、時間が経てば手遅れになります。異常を感じたら、まずは運転を止める勇気を持ってください。
3. 近隣住民との騒音トラブルに発展する恐れ
室外機の「ゴーゴー」音は、自分よりも近所の人に響いていることが多いです。特に夜間の静かな時間帯、室外機の騒音は想像以上に遠くまで届きます。
トラブルになってからでは、気まずくてエアコンを使いづらくなってしまいます。早めに対策を講じることは、快適な近所付き合いを守ることにも繋がります。
まとめ
エアコンから響くゴーゴーという音は、多くの場合、適切なメンテナンスで解消できます。まずは窓を開けて音が消えるかを確認し、気圧の問題なのか、それとも内部の汚れなのかを切り分けてみましょう。もし気圧が原因であれば、ドレンホースに消音バルブを付けるだけで解決します。
一方で、10年以上使っているエアコンから激しい音がする場合は、寿命が近づいているサインかもしれません。最新のエアコンは省エネ性能が非常に高く、買い替えることで年間の電気代を数万円単位で抑えられることもあります。今のエアコンの状態を正しく把握し、修理か買い替えかを冷静に判断してください。
まずは今日、エアコンのフィルターを外して汚れを確認するところから始めてみませんか。小さな手入れひとつで、驚くほど静かで快適な空気を取り戻せるはずです。
