エアコン掃除の正しい手順を知っていますか。自分で掃除していい場所と、プロに任せるべき場所にははっきりした境界線があります。正しい手順で掃除をすれば、嫌な臭いが消えるだけでなく、電気代の節約にも繋がります。
今回は、フィルターから本体パネルまで、家庭でできる範囲の掃除方法を詳しく解説します。難しい工程は一切ありません。誰でも今日から実践できる内容をまとめました。正しい知識を身につけて、お部屋の空気をリフレッシュしましょう。
エアコン掃除の正しい手順とは?基本の流れを把握する
掃除を始める前に、まずは全体の流れをイメージしましょう。エアコン掃除は「上から下へ、外から中へ」が基本です。手順を間違えると、せっかく綺麗にした場所に再びホコリが落ちてしまいます。効率的な進め方を確認しましょう。
1. 作業をスムーズに進めるための全体的な順番
掃除は本体の外側から始め、次にフィルター、最後に吹き出し口の順番で行います。高い場所から順に進めることで、落ちたゴミを最後にまとめて掃除機で吸い取れるからです。
この順番を守ると、二度手間を防げます。特にフィルターを外す前に外装のホコリを払っておくことが、内部にゴミを落とさないための重要なポイントです。
2. エアコンの効きを良くして毎月の電気代を安くするメリット
フィルターが目詰まりすると、エアコンは空気を吸い込むために余計な電力を使います。掃除をするだけで、冷暖房の効率が大幅にアップします。
設定温度を過度に変える必要がなくなるため、節電に直結します。月に 1 回から 2 回の清掃で、電気代を 5 %から 10 %ほど抑えられるケースもあります。
3. 内部に溜まったカビやホコリを放置する健康リスク
エアコンの内部は湿気が溜まりやすく、カビの温床になりがちです。汚れたまま運転を続けると、カビの胞子が部屋中に撒き散らされてしまいます。
これが原因で、咳やアレルギー症状を引き起こすことも珍しくありません。家族の健康を守るためにも、定期的なメンテナンスは欠かせない習慣といえます。
掃除を始める前に準備すべき道具と事前の安全確認
準備をしっかり整えることが、掃除を短時間で終わらせるコツです。身近にあるものだけで、エアコンは驚くほど綺麗になります。また、水や電気を扱う作業なので、安全対策も欠かせません。作業前のチェックリストを確認してください。
1. 掃除機や中性洗剤など家にあるもので揃える掃除道具
特別な道具を買い揃える必要はありません。家にある掃除機と、使い古した歯ブラシがあれば十分です。洗剤は、キッチン用の中性洗剤(「花王 キッチンマジックリン」など)が適しています。
| 道具名 | 用途 |
| 掃除機 | フィルターや天面のホコリ取り |
| 中性洗剤 | フィルターの油汚れ落とし |
| 歯ブラシ | 細かい部分の汚れかき出し |
| 柔らかい布 | 本体の拭き掃除 |
マイクロファイバークロスがあると、水拭き後の跡が残らず綺麗に仕上がります。
2. 故障や感電トラブルを防ぐための電源プラグを抜く手順
掃除を始める前には、必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。運転を停止しただけでは、内部で電気が流れている箇所があり危険です。
プラグを抜くことで、作業中の誤作動も防げます。また、抜いたプラグにホコリが付着していないか確認し、乾いた布で拭いておくと火災予防にもなります。
3. 壁や床を汚さないためにビニール袋で周辺の養生を行う方法
作業中にホコリや水滴が落ちることがあります。エアコンの真下にある家具は移動させ、床には新聞紙やビニールシートを敷いておきましょう。
壁が汚れるのが心配な場合は、大きめのゴミ袋を切り開いてテープで固定します。事前の準備を丁寧に行うことで、後片付けの時間がぐっと短縮されます。
フィルター掃除の正しいやり方とホコリを落とすコツ
フィルターは最も汚れが溜まりやすく、かつ自分で手軽に掃除できるパーツです。ここを綺麗にするだけで、風量が劇的に回復します。ただし、力任せに扱うと網目を傷めてしまうため、丁寧な作業が求められます。
1. フィルターを外す前に掃除機で表面の汚れを吸い取る理由
いきなりフィルターを外すと、表面に積まったホコリが舞い上がってしまいます。まずは前面パネルを開けた状態で、装着したまま掃除機をかけましょう。
これで大まかなゴミを除去できます。掃除機のノズルを優しく当てて、上から下へゆっくり動かすのがコツです。
2. 水洗いは裏側からシャワーを当てて目詰まりを解消させる
掃除機で吸いきれない細かい汚れは、水洗いで落とします。このとき、必ず「フィルターの裏側(内側)」からシャワーを当てるようにしてください。
表側から水を当てると、ホコリが網目に押し込まれて詰まってしまいます。汚れがひどい時は、薄めた中性洗剤を使い、歯ブラシで優しくなでるように洗います。
3. 臭いの原因になる雑菌の繁殖を防ぐためのしっかりした陰干し
洗った後のフィルターは、タオルで挟んで水分を吸い取ります。その後、風通しの良い日陰で完全に乾かしてください。
濡れたままエアコンに戻すと、水分が原因で再びカビが発生してしまいます。直射日光に当てすぎるとプラスチックが変形する恐れがあるため、注意が必要です。
吹き出し口とルーバーのカビや汚れを拭き取る方法
風が出てくる吹き出し口には、黒いポツポツとしたカビが付着しやすいです。ここは直接空気が触れる場所なので、常に清潔に保ちたいポイントです。無理な力をかけず、優しく汚れを取り除きましょう。
1. 手の届く範囲の黒ずみを落とすためのお掃除棒の作り方
吹き出し口の奥は狭くて手が届きにくいものです。そんな時は、割り箸の先にキッチンペーパーを巻き付け、輪ゴムで止めた「お掃除棒」が活躍します。
ペーパーを水や薄めた中性洗剤で湿らせて使います。市販の「レック 激落ちくん エアコンお掃除シート」を巻き付けると、汚れ落ちがさらに良くなります。
2. 壊れやすいルーバーを無理に動かさず優しく拭くコツ
風向きを変える羽(ルーバー)は、非常に繊細なパーツです。手で無理に動かすと、中のモーターやギアが故障する原因になります。
電源を入れた際の動作中に止めるか、手で動かせる範囲だけで掃除しましょう。力を入れすぎず、表面をなでるように拭くのが安全です。
3. 除菌シートや中性洗剤を活用して油汚れを除去する工夫
キッチンに近いエアコンは、ベタついた油汚れを吸い込んでいます。水拭きだけでは落ちにくいため、住居用の中性洗剤を使いましょう。
洗剤成分が残るとプラスチックを傷めることがあるため、最後は必ず固く絞った布で水拭きをしてください。除菌効果のあるシートを使えば、カビの抑制にも繋がります。
エアコン本体の天面やパネル表面の拭き掃除
エアコンの上部は視界に入りにくいため、ホコリが厚く積もっていることが多いです。ここを綺麗に保つことで、フィルターへの汚れの蓄積を遅らせることができます。外装を磨いて、見た目もスッキリさせましょう。
1. ホコリが最も溜まりやすい天面の吸い込み口の清掃
エアコンは天面から部屋の空気を吸い込んでいます。ここにホコリが溜まると、吸い込み効率が落ちてしまいます。
脚立を使って、掃除機でホコリを吸い取りましょう。ハンディワイパー(「クイックルハンディ」など)を使うと、高い場所のゴミも舞い散らさずにキャッチできます。
2. 前面パネルを開けて内側の細かい部分を拭き上げる
前面パネルの裏側や、フィルターの枠周りにもホコリは溜まります。パネルを外せる機種であれば、丸洗いしてしまうのが一番簡単です。
外せない場合は、湿らせた布で隅々まで拭き掃除をします。パネルの溝などは汚れが溜まりやすいため、綿棒などを使って丁寧に取り除いてください。
3. センサーや電装部分に直接水分をかけないための注意点
エアコン内部には、温度センサーなどの精密な部品が露出している箇所があります。掃除の際は、これらの部品に直接スプレーをしたり、濡れた布で触れたりしないでください。
基盤に水分がつくと、故障や発火の原因になります。布を十分に絞り、水分が滴らない状態で作業を行うことが鉄則です。
冷却フィン(熱交換器)を自分でお手入れする際のリスク
フィルターの奥に見える銀色の板状の部品が冷却フィンです。ここは非常にデリケートな場所であり、間違った手入れをすると取り返しのつかないことになりかねません。正しい知識を持って向き合いましょう。
1. フィルターの奥にあるフィンのホコリをブラシで払う程度に留める
自分でできるフィンの掃除は、表面に付いたホコリを軽く取り除くことまでです。掃除機のブラシノズルや、柔らかいハケを使って、フィンの目に沿って優しく掃除します。
フィンのアルミ板は非常に薄く、指で押すだけで簡単に曲がってしまいます。奥まで掃除しようとせず、あくまで「表面のゴミを払う」という意識が大切です。
2. 市販の洗浄スプレーを個人で使用する際の火災や故障の危険
ドラッグストアなどで売られているエアコン洗浄スプレーの使用には注意が必要です。液剤が電装部に飛散し、トラッキング現象による火災事故が発生した事例が報告されています。
また、液剤が内部に残り、それが原因でベタつきや新たなカビの発生を招くこともあります。リスクを理解した上で、慎重な判断が必要です。
3. アルミ部分を曲げないための力加減と扱い方
フィンの掃除をする際は、決して金属製のヘラなどは使わないでください。アルミ板が変形すると、空気の通り道が塞がれ、冷房能力が低下してしまいます。
万が一少し曲がってしまった場合は、ピンセットなどで慎重に戻すことも可能ですが、基本的には触らないのが無難です。目に見える範囲のホコリを取るだけで、十分な効果があります。
エアコン掃除で絶対にやってはいけないNG行為
良かれと思ってやった掃除が、結果的にエアコンの寿命を縮めてしまうことがあります。故障を招く典型的なパターンを知っておくことは、掃除の手順を覚えるのと同じくらい重要です。
1. 電子回路に水がかかることで発生するショートのトラブル
エアコンの右側(機種により異なります)には、重要な制御基板が収められています。ここに水や洗剤がかかると、一瞬でショートして動かなくなります。
最悪の場合、修理が不可能な状態になることもあります。スプレータイプの洗浄剤を安易に吹き付けるのは避け、拭き掃除の際も水分量には十分に気をつけてください。
2. 部品を劣化させるアルコールスプレーや強酸性洗剤の使用
除菌目的でアルコール濃度の高いスプレーを多用するのは避けましょう。プラスチックのパーツが白濁したり、ひび割れを起こしたりする原因になります。
また、カビ取り剤などの強力な塩素系・酸性洗剤も避けてください。金属部品を腐食させ、ガス漏れなどの大きなトラブルに繋がる恐れがあります。
3. 送風ファンに異物を差し込んで羽根を破損させる失敗例
吹き出し口の奥で回転している送風ファンには、絶対に物を差し込まないでください。ファンは高速で回転する設計のため、少しでも羽根が欠けるとバランスが崩れます。
回転時に異音が発生したり、本体が激しく振動したりするようになります。ファン自体の掃除は個人では難しいため、深追いしないことが大切です。
掃除の頻度はどのくらい?清潔な状態を保つための目安
こまめな掃除は、 1 回あたりの負担を減らしてくれます。生活環境によって汚れのスピードは異なりますが、一般的な目安を知っておくとスケジュールが立てやすくなります。
1. 2 週間に 1 回を基準にするフィルターの定期メンテナンス
冷暖房を毎日使うシーズンであれば、 2 週間に 1 回のフィルター掃除が理想的です。これだけで、内部に侵入するホコリの量を最小限に抑えられます。
週末の掃除ルーティンに組み込んでしまえば、作業時間は 5 分程度で済みます。汚れが溜まる前に対処するのが、最も効率の良い方法です。
2. 家族の人数やペットの有無に合わせた清掃タイミングの調整
リビングなど人が集まる部屋や、ペットを飼っている家庭では、ホコリや毛が舞いやすいため汚れが早く溜まります。その場合は、週に 1 回の確認をおすすめします。
逆に、寝室など使用時間が短い部屋は、月に 1 回程度でも清潔な状態を維持できます。部屋ごとの稼働状況に合わせて頻度を変えてみましょう。
3. 夏や冬の本格的な使用シーズンが始まる前に行う試運転
冷房や暖房を使い始める 1 ヶ月前には、必ず動作確認を兼ねた掃除を行ってください。いざ使おうとした時に臭いや異音に気づくと、修理や業者依頼が混み合う時期と重なってしまいます。
5 月や 10 月頃にフィルターをチェックし、 30 分ほど試運転をして異常がないか確認する習慣をつけましょう。
内部の汚れや臭いが取れない時にプロへ依頼する判断基準
自分でできる掃除には限界があります。無理をして分解したり、強力な薬剤を使ったりするのは、リスクが大きすぎます。プロの手を借りるべきサインを見極めましょう。
1. 吹き出し口の奥にカビが密集しているのを見つけた場合
ルーバーの隙間から奥を覗いた際、ファンに黒いカビがびっしり付いている場合はプロの出番です。ここを素人が完璧に綺麗にするのは不可能です。
無理にこすり取ろうとすると、カビの破片が部屋中に飛び散り、逆効果になることもあります。専用の機材による高圧洗浄が必要です。
2. 自分では手が届かないファンやドレンパンの徹底洗浄
エアコン内部の「ドレンパン」という水の受け皿は、最もカビが発生しやすい場所です。ここは本体を分解しなければ掃除できません。
エアコンから酸っぱい臭いがしたり、風量が不安定だったりする場合は、内部の詰まりが疑われます。こうした専門的な箇所の清掃は、業者に任せるのが安全で確実です。
3. 購入から 2 年以上経過した際の大掃除としての業者依頼
日頃からフィルター掃除をしていても、 2 年から 3 年経つと内部にはどうしても汚れが蓄積します。数年に 1 回の「定期健診」として、クリーニングを依頼しましょう。
プロの洗浄を受けると、見違えるほど風がクリアになり、冷暖房の効きも復活します。エアコンの寿命を延ばすための投資と考えれば、決して高くはありません。
掃除後に必ず行いたい送風運転とカビ予防の習慣
掃除が終わって電源を入れたら、すぐに冷房を使うのは控えましょう。最後の一手間で、カビの再発を大幅に遅らせることができます。日々のちょっとした工夫で、綺麗な状態を長くキープしましょう。
1. 洗浄後の水分を飛ばすために 1 時間ほど送風運転をする
拭き掃除やフィルター掃除の後は、エアコンの内部に湿気が残っていることがあります。これを乾かすために、「送風」モードで 1 時間ほど運転させてください。
内部をしっかり乾燥させることで、カビの胞子が根付くのを防ぎます。送風モードがない機種の場合は、一番高い温度設定で暖房運転をすることでも代用できます。
2. 冷房使用後に自動で行われる内部クリーン機能の活用
最近のエアコンには、運転終了後に自動で内部を乾燥させる「内部クリーン」機能が搭載されています。この機能はオフにせず、必ず使い切るようにしましょう。
冷房使用後の結露を放置することが、カビ発生の最大の原因です。電気代を気にして途中で止めてしまうのは、かえって掃除のコストを増やすことになります。
3. 部屋の換気を徹底してエアコンが吸い込むホコリを減らす工夫
エアコンは部屋の空気を循環させているため、部屋が汚れているほどエアコンも汚れます。こまめな換気と床の掃除が、結果的にエアコンを長持ちさせます。
料理中や掃除機をかけている間は、窓を開けてホコリや油分を外に逃がすようにしましょう。エアコンだけに頼らず、お部屋全体の空気を整えることが予防の第一歩です。
まとめ
エアコン掃除の基本は、無理のない範囲で定期的に継続することです。自分でできる「フィルター」や「ルーバー周り」の清掃だけでも、電気代の節約や臭い対策に大きな効果を発揮します。まずは電源プラグを抜き、フィルターを外すところから始めてみましょう。
もし吹き出し口の奥にカビが密集していたり、掃除をしても嫌な臭いが消えなかったりする場合は、深追いをせずプロのクリーニングを検討してください。無理な作業による故障を防ぐことも、エアコンを正しく扱う大切な手順のひとつです。今日から 2 週間に 1 回のフィルターチェックを習慣にして、快適な空間を維持しましょう。
