引っ越しが決まると、家電の準備や荷造りで忙しくなります。その中で「引っ越し前にエアコン掃除は必要?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。古い家で使っていた汚れをそのまま新居へ持ち込むのは、衛生面でも効率面でもあまりおすすめできません。
実は、エアコンを動かす時こそが内部を徹底的に綺麗にする絶好のチャンスです。移設のタイミングで洗浄するメリットを知ることで、新生活をより快適にスタートできます。この記事では、掃除が必要な理由や具体的な費用相場、依頼のポイントを分かりやすく紹介します。
引っ越し前にエアコン掃除が必要といわれる理由
エアコンは空気を吸い込む際に、部屋のホコリや油分も一緒に取り込んでいます。一見綺麗に見えても、内部には数年分の汚れが蓄積しているものです。引っ越しという大きな節目に掃除を行うことで、新居の環境を清潔に保つ役割があります。
1. 新居にカビや古い家のホコリを持ち込まないため
エアコンの内部は、湿気によってカビが発生しやすい環境です。掃除をせずに移設すると、古い家のカビ胞子をそのまま新居にバラまくことになります。
せっかくの新生活を綺麗な空気で始めるために、事前の清掃は欠かせません。特に小さなお子様やアレルギーがある方がいる家庭では、この工程が非常に重要になります。
2. 輸送時の振動で内部の汚れが剥がれ落ちるから
引っ越しの輸送中には、トラックの振動がエアコン本体に伝わります。この振動によって、内部にこびりついていた固形化したホコリが剥がれ落ちることがあります。
剥がれた汚れが吹き出し口に詰まると、新居で使い始めた途端に黒い塊が飛んでくるかもしれません。移設前に汚れを取り除いておけば、こうしたトラブルを未然に防げます。
3. 設置した後では掃除できない裏側の汚れを落とすため
壁に取り付けられた状態では、エアコンの背面や上部の掃除には限界があります。取り外した状態であれば、普段は見えない裏側までしっかり確認できます。
壁との隙間に溜まったホコリや、ドレンパンのヌメリを完全に除去できるのは取り外し時だけです。このタイミングを逃すと、次に掃除できるのは数年後になってしまいます。
移設のタイミングでエアコンを洗浄するメリット
エアコンを一度取り外す引っ越し時は、通常のクリーニングよりも高い効果が期待できます。手間を最小限に抑えつつ、最大限の効果を得られるのがこの時期の大きな特徴です。効率重視で進めたい方にとって、見逃せないポイントが複数あります。
1. 取り外した状態なら「完全分解洗浄」が選べる
壁にかけたままの掃除とは違い、パーツをすべてバラバラにする洗浄が可能です。熱交換器の裏側やファンなど、細かい部分まで薬剤を届かせることができます。
完全分解を行うと、カビの除去率は格段に上がります。新品に近い状態までリセットできるため、移設のタイミングで行う価値は非常に高いと言えます。
2. 脱着作業とセットで依頼すると手間が一度で済む
引っ越し業者や専門業者に依頼すれば、取り外しと洗浄を一括で管理してもらえます。別々の日に業者を呼ぶ必要がなく、スケジュールの調整が楽になります。
工事と清掃をセットにすることで、窓口が1つになり連絡の行き違いも減ります。忙しい引っ越し前後において、この時間短縮は大きなメリットです。
3. 洗浄後の清潔な状態で新生活の運転をスタートできる
新居で初めてエアコンをつける瞬間、嫌なニオイがしたら気分が落ち込んでしまいます。洗浄済みのエアコンなら、清々しい風を感じながら片付けを進められます。
最初から内部が綺麗な状態であれば、その後の日常的なお手入れも簡単になります。気持ちよく新生活のスタートを切るための、自分へのプレゼントとも言えるでしょう。
エアコン掃除をせずに引っ越す際のリスク
掃除を後回しにして移設すると、後から思わぬ出費やトラブルに見舞われる可能性があります。目に見えない汚れが原因で、家電の寿命を縮めてしまうことも珍しくありません。リスクを正しく理解し、事前の対策を検討することが大切です。
1. 新しい部屋にカビの臭いが充満してしまう
新居は気密性が高いことが多く、少しのニオイでもこもりやすい傾向にあります。掃除不足のエアコンを運転させると、部屋全体にカビ臭さが広がってしまいます。
一度壁紙やカーテンにニオイがついてしまうと、取り除くのは大変です。健康的な生活空間を守るためにも、移設前のリセットを推奨します。
2. 内部の汚れが詰まったままだと電気代が高くなる
フィルターや熱交換器にホコリが詰まっていると、冷暖房の効率が著しく低下します。設定温度にするために余計な電力を消費し、毎月の電気代がかさんでしまいます。
2025年現在は電気料金の変動も多いため、節電対策は家計にとって重要です。綺麗な状態を保つことは、結果的にランニングコストの削減に直結します。
3. 移設直後に汚れが原因で水漏れトラブルが起きやすい
エアコン内部の排水溝である「ドレンパン」に汚れが溜まっていると、水漏れの原因になります。移設時の傾きの変化などで、溜まっていたヘドロ状のゴミが詰まることがあります。
新居の壁を汚してしまったり、下の家財を濡らしてしまったりする恐れがあります。こうした故障リスクを減らすためにも、水の通り道を掃除しておくべきです。
引っ越し時のエアコンクリーニングにかかる費用相場
クリーニングにかかる費用は、エアコンの種類や依頼するタイミングによって変動します。2025年現在の一般的な相場を把握しておくことで、見積もりの比較がスムーズになります。予算を立てる際の参考にしてください。
| エアコンの種類 | クリーニング相場(税込) | 作業時間の目安 |
| 通常の壁掛けタイプ | 10,000円 〜 15,000円 | 1 〜 2時間 |
| お掃除機能付き | 18,000円 〜 25,000円 | 2 〜 3時間 |
| 移設パック料金 | 15,000円 〜 30,000円 | 工事内容による |
1. 通常の壁掛けタイプを洗浄する基本料金
最も普及しているスタンダードなエアコンの場合、1台あたり10,000円前後から依頼できます。引っ越しシーズンは混み合うため、早めの予約で割引が適用されることもあります。
基本料金には出張費や養生代が含まれているか、事前に確認しておきましょう。複数の台数をまとめて依頼すると、2台目以降が安くなるプランも一般的です。
2. お掃除機能付きエアコンの追加料金と作業時間
お掃除機能付きのモデルは、内部構造が複雑なため作業に時間がかかります。そのため、通常タイプよりも5,000円から10,000円ほど高く設定されています。
「おそうじ本舗」などの大手専門業者では、最新機種にも対応した技術を持っています。複雑な機種こそ、専門知識のあるプロに任せるのが安心です。
3. 移設工事とセットで申し込む場合の割引メリット
引っ越し業者を通じてクリーニングを依頼すると、セット割引が提示されることが多いです。取り外し、洗浄、取り付けのすべてを任せることで、合計金額が抑えられます。
ただし、作業を行うのが提携のクリーニング業者になるため、品質の確認は必要です。安さだけでなく、どのような洗浄方法で行うかを必ず質問してください。
完全分解洗浄を選ぶべきケースと通常清掃との違い
引っ越し時は通常のクリーニングではなく「完全分解」を検討する良い機会です。通常清掃では落としきれない深部の汚れまでアプローチできるため、特定の条件下では非常に有効です。ご自身のエアコンがどちらに適しているかチェックしましょう。
1. 購入から3年以上経過しているエアコンの状態
新品で購入してから3年ほど経つと、内部には確実にカビやホコリが蓄積されています。特に夏場に冷房をフル活用していた場合、内部の湿気でカビが繁殖している可能性が高いです。
3年という期間は、徹底的な洗浄を行う目安の1つになります。引っ越しというタイミングを逃すと、また数年そのまま使い続けることになってしまいます。
2. 吹き出し口に黒い点々やカビが見えるときの対処
エアコンのルーバーを覗いた時に、黒いシミのようなものが見えたら要注意です。それは表面だけでなく、奥にある送風ファンにもカビがびっしり付いているサインです。
この状態では、通常の高圧洗浄だけではカビを根絶できないことがあります。パーツを外して薬剤に浸け置きする完全分解洗浄が、最も確実な解決策となります。
3. ペットの毛やタバコのニオイが染み付いている場合
室内で犬や猫を飼っている場合、エアコンは大量の毛やフケを吸い込んでいます。これらは通常の掃除では取りきれず、内部で腐敗してニオイの元になることがあります。
タバコのヤニ汚れも同様に、プラスチックの奥までニオイが染み込みます。新居に不快な持ち込みをしないためにも、分解して丸洗いすることをおすすめします。
移設せずに買い替えを検討する判断基準
すべてのエアコンを引っ越し先に持っていくのが正解とは限りません。年数や性能によっては、移設費用を払うよりも新調したほうが長期的に見てお得になるケースもあります。買い替えのタイミングを見極めるポイントを確認しましょう。
1. 製造から10年以上経っているエアコンの寿命
エアコンの標準的な使用期間は、メーカーによって約10年と定められています。10年を過ぎると、故障した際の交換部品が生産終了しているリスクが高まります。
「パナソニック」や「三菱電機」などの主要メーカーでも、補修用性能部品の保有期間は9年前後です。古い機種を無理に移設しても、すぐに壊れてしまえば移設費用が無駄になります。
2. 引っ越し先の部屋の広さとエアコンの対応畳数
今の部屋と新居の部屋の広さが異なる場合、冷暖房能力が足りなくなることがあります。6畳用のエアコンを10畳の部屋で使うと、常にフルパワーで運転するため電気代が跳ね上がります。
逆にパワーが強すぎても、オンオフが繰り返されて効率が悪くなります。部屋の広さに合った最適なモデルを選ぶことが、快適さと節約の両立に繋がります。
3. 修理費用が高額になる古いモデルの維持コスト
古いエアコンは、最新モデルに比べて省エネ性能が劣ります。最新の省エネ機種に買い換えることで、年間10,000円以上の電気代が削減できるケースも珍しくありません。
クリーニング代と移設代で30,000円以上かけるなら、その分を新しいエアコンの購入資金に回すのも賢い選択です。特に型落ちモデルが安くなる時期などは狙い目です。
どこに頼む?引越し業者と専門業者の違い
依頼先には大きく分けて「引っ越し業者」と「クリーニング専門業者」の2種類があります。それぞれに特徴があり、何を重視するかによって最適な選択肢が変わります。ご自身の優先順位に合わせて比較検討してみてください。
1. 引越し業者にまとめて依頼する際の手軽さと注意点
引っ越し業者に頼む最大の利点は、すべての手続きを1回の連絡で済ませられることです。当日の荷物搬出と同時に取り外しが行われるため、スケジュール管理が非常に楽になります。
ただし、実際に作業するのは下請けの業者であることがほとんどです。技術力にバラつきがある可能性もあるため、保証内容や作業実績を事前に確認しておくと安心です。
2. エアコンクリーニング専門業者による作業品質の高さ
「おそうじ本舗」や「ダスキン」といった専門業者は、洗浄に関する知識と経験が豊富です。専用の薬剤や機材を使用し、細かい部分まで丁寧に仕上げてくれる安心感があります。
こだわりの洗浄を希望する場合や、高機能なエアコンを持っている場合は専門業者が向いています。技術重視の方は、口コミや対応機種の幅広さを基準に選んでみてください。
3. 仲介手数料の有無で変わる見積もり金額の差
一般的に、引っ越し業者の見積もりには紹介料としての仲介手数料が含まれることがあります。自分で専門業者に直接依頼したほうが、総額を抑えられるケースも多いです。
手間を優先して一括で頼むか、コストを抑えるために自分で手配するかを天秤にかけましょう。時間に余裕があるなら、両方から見積もりを取って比較するのが確実です。
賃貸物件を退去する際のエアコン掃除マナー
賃貸にお住まいの場合、エアコンの取り扱いにはルールがあります。自分で取り付けたものか、最初から付いていたものかによって対応が大きく変わります。退去時のトラブルを避けるために、基本的なマナーを抑えておきましょう。
1. 自分で取り付けたエアコンは取り外しと清掃が必要
入居後に自分で購入して取り付けたエアコンは、原則として退去時に撤去しなければなりません。その際、壁に残るネジ穴や配管跡の状態も確認しておきましょう。
撤去のついでに掃除をしておくことで、新居への運搬準備が整います。自分で行うフィルター掃除だけでも、運搬中のホコリ散乱を防ぐ効果があります。
2. 備え付けエアコンの掃除は大家さんや管理会社に相談
最初から部屋に付いていたエアコンのクリーニングは、基本的に管理側の判断になります。勝手に専門業者を呼んで分解掃除をすると、万が一の故障時に責任を問われる可能性があります。
ニオイが気になる場合は、まず管理会社に連絡して清掃の許可を取りましょう。物件によっては、退去費用の中にエアコン清掃代が含まれていることもあります。
3. 退去時のフィルター掃除だけで済ませて良い範囲
備え付けエアコンの場合、借主が行うべきは日常的な範囲の清掃です。フィルターのホコリを掃除機で吸い取り、パネルを拭く程度でマナーとしては十分です。
無理に内部をいじって破損させると、原状回復費用を請求される恐れがあります。感謝の気持ちを込めて、手の届く範囲を綺麗にするのがスマートな退去のあり方です。
依頼から作業完了までの流れと必要な期間
引っ越し直前になって慌てないために、作業の全体像を把握しておきましょう。予約から完了までには、意外と時間がかかるステップもあります。余裕を持ったスケジュールを組むことが、トラブルのない移設のコツです。
1. 移設と掃除の見積もりを比較して予約するタイミング
引っ越しの1ヶ月前には見積もりを依頼し、2週間前までには予約を確定させましょう。特に3月から4月の繁忙期は、希望の日時がすぐに埋まってしまいます。
見積もり時には、エアコンの型番や設置状況を正確に伝えるとスムーズです。Web上で写真を送るだけで概算を出してくれる便利なサービスも増えています。
2. エアコンの取り外しから洗浄・保管までにかかる日数
洗浄を伴う移設の場合、取り外してから新居に取り付けるまでに数日から1週間ほど預けるケースがあります。この期間、エアコンが使えないことを考慮して日程を組みましょう。
冬場や夏場の厳しい時期は、エアコンなしで過ごす日数を最小限にする調整が必要です。洗浄工場へ持ち込んで洗うのか、その場で行うのかによっても期間が変わります。
3. 新居での取り付け工事当日に準備しておくこと
新居での取り付け時には、室外機を置くスペースの確保やコンセントの確認が必要です。業者がスムーズに作業できるよう、設置予定場所の周りは片付けておきましょう。
作業当日は、試運転を行って正常に冷暖房が効くか立ち会いで確認します。ドレンホースから水が正しく排出されているかまでチェックすれば安心です。
エアコン掃除と移設を依頼する前に確認すること
契約後に「取り付けられない」といったトラブルが起きないよう、事前のチェックは不可欠です。建物の構造や電気系統の問題は、プロでも当日には解決できないことがあります。以下の3つのポイントを必ず事前に確認してください。
1. 移設先のコンセント形状と電圧が合っているか
エアコンのコンセントは、容量によって形状が異なります。100Vと200Vの違いや、プラグの形が新居の差し込み口と一致しているか見ておきましょう。
もし合わない場合は、電圧切り替え工事やコンセント交換が必要になります。これには追加費用がかかるため、あらかじめ業者に伝えておくと見積もりが正確になります。
2. 配管穴の有無や化粧カバーの追加工事が必要か
新居の壁にエアコン用の穴がすでに開いているか、それとも新しく開ける必要があるかを確認します。賃貸の場合は穴開けに大家さんの許可が必要なケースもあります。
また、配管を綺麗に見せるための化粧カバーは、再利用できないことが多いです。新居の外壁の色に合わせて新調する場合、数千円の追加費用がかかることを想定しておきましょう。
3. 設置場所の周囲に作業スペースが確保できるか
室内機を取り付ける場所の周りに、脚立を立てるスペースがあるか確認します。カーテンレールや家具が干渉して取り付けられないという事態は避けたいものです。
室外機についても、ベランダの避難経路を塞がない位置に置けるかチェックが必要です。スムーズな作業は、設置後のメンテナンスのしやすさにも繋がります。
まとめ
引っ越しは、エアコンを新品同様の清潔さにリセットできる絶好のタイミングです。普段は掃除できない裏側まで綺麗にできるため、新居での空気を清潔に保ちたいなら実施して損はありません。2025年現在は、電気代の節約や健康への意識も高まっており、事前のクリーニングはより価値のある投資となっています。
まずは、お持ちのエアコンが製造から何年経っているかを確認してみてください。10年近い場合は買い替え、それ以外なら移設に合わせた洗浄を検討するのが賢明な判断です。見積もりを取る際は、クリーニング内容と工事費の内訳をしっかり比較しましょう。今日からできる準備として、まずはエアコンの型番を控えて、専門業者や引っ越し業者へ問い合わせることから始めてみてください。