エアコンを掃除したときにバケツへ溜まる黒い水を見て、驚いたことはありませんか。あの真っ黒な液体の原因は、実はエアコンの中に潜むカビや汚れです。
内部洗浄を行うと、普段は見えない場所に溜まったゴミがまとめて排出されます。この記事では、エアコンから出る黒い水の原因や、洗浄で汚れが落ちる様子を詳しく解説します。お部屋の空気を清潔に保つための仕組みを一緒に見ていきましょう。
エアコンから流れる黒い水の成分はなに?
エアコンから出てくる真っ黒な水の原因を知っていますか。ただの泥水ではありません。実は、数種類の汚れが複雑に混ざり合っています。主な成分を3つに分けて解説します。
1. 内部に溜まった黒カビとホコリの塊
黒い水の主成分は、クロカビと呼ばれる菌の一種です。エアコン内部の湿気によって、ファンや熱交換器にびっしりと繁殖します。
このカビが吸い込んだホコリと絡み合い、層のように重なっていきます。洗浄液をかけると、この塊が一気に剥がれ落ちて黒い水に変わります。
2. キッチンから流れ込んだ油汚れの蓄積
リビングにあるエアコンの場合、キッチンの油を含んだ空気を吸い込んでいます。油はベタベタしているため、一度付着するとなかなか取れません。
この油汚れにホコリが吸着し、黒ずんだ粘着質な汚れへと変化します。これが洗浄剤に溶け出すことで、水の色がより濃く濁る原因になります。
3. 部屋に浮遊する花粉やダニの混入物
空気中には目に見えない花粉やダニの死骸などが浮遊しています。エアコンはこれらを吸い込み、内部の結露水でキャッチしてしまいます。
これらの微細なゴミがカビの栄養源となり、さらに汚れを深刻化させます。内部洗浄をすると、こうしたアレルギー物質もまとめて洗い流されます。
内部洗浄で真っ黒な水が出てくる仕組み
どうして透明な洗浄液が、真っ黒な水に変わって出てくるのでしょうか。それには、エアコン内部の構造が深く関わっています。汚れが剥がれ落ちるまでのプロセスを見ていきましょう。
1. アルミフィンに詰まったゴミが溶け出す様子
エアコンの前面にあるアルミフィンには、細かい隙間が無数にあります。ここに詰まった汚れは、指では決して届きません。
専用の洗浄剤を吹き付けると、洗剤が奥まで浸透していきます。固まっていた汚れがふやけて浮き上がり、液体となって流れ出します。
2. 送風ファンにこびりついた汚れが剥がれる過程
筒のような形をした送風ファンは、一番カビが発生しやすい場所です。回転する羽根の一枚一枚に、黒いカビの塊がこびりついています。
洗浄液が触れると、これらのカビがボロボロと崩れ始めます。まるでインクをこぼしたように、一瞬で洗浄水が黒く染まっていくのです。
3. 高圧洗浄の勢いで奥の汚れを押し流す流れ
浮かせた汚れを最後にかき出すのが、プロが使う高圧洗浄機の役割です。強い水圧をかけることで、裏側に隠れたゴミも残さず吹き飛ばします。
勢いよく流された汚水は、ドレンパンという受け皿を通って外へ排出されます。バケツに溜まる黒い水は、徹底的に掃除された証拠と言えます。
エアコンの中にカビが発生しやすい理由
そもそも、なぜエアコンの中にはこれほど汚れが溜まるのでしょうか。それはエアコンの仕組み上、避けられない条件が揃っているからです。
1. 冷房使用時に発生する結露による湿気
冷房を使うと、エアコンの内部では冷たい飲み物のコップと同じように結露が起きます。この水分が内部に溜まり続けることが、カビの一番の原因です。
運転停止後も中が湿ったままの状態だと、カビは急速に繁殖します。特に夏場のエアコン内部は、カビにとって最高の住処になってしまいます。
2. フィルターを通り抜けた微細なホコリの付着
フィルターは大きなゴミをキャッチしますが、細かいホコリはすり抜けます。そのホコリが、濡れたアルミフィンやファンに吸着してしまいます。
濡れたホコリはカビの格好の餌となります。一度付着すると乾燥しても剥がれにくくなり、どんどん蓄積していくサイクルが出来上がります。
3. カビの栄養源となる室内の高い温度と湿度
カビは温度が20度から30度、湿度が80%以上の環境を好みます。日本の夏や梅雨の時期は、まさにこの条件にぴったり当てはまります。
さらに室内の人の皮脂や食べ物のカスなども、カビの栄養になります。こうした条件が重なることで、わずかな期間でも内部は真っ黒に汚れます。
黒い水を放置して使い続けるリスク
黒い水が出るほど汚れたエアコンを使い続けると、どうなるのでしょうか。見た目の不快感だけでなく、私たちの体や家計にも悪影響を及ぼします。
1. 部屋中にカビの胞子が飛散する不衛生な環境
エアコンをつけた瞬間、内部に溜まったカビの胞子が風に乗って部屋中に広がります。目には見えませんが、カビを浴びているのと同じ状態です。
壁紙やカーテンに胞子が付着すれば、部屋のあちこちでカビが発生しやすくなります。不快なニオイの原因も、この飛散した菌によるものです。
2. 夏型過敏性肺炎などの健康被害の可能性
カビを吸い込み続けることで、アレルギー症状を引き起こすことがあります。咳が止まらなくなったり、鼻水が出たりするのは危険信号かもしれません。
特に「夏型過敏性肺炎」は、エアコンのカビが原因で起こる病気として知られています。家族の健康を守るためにも、内部を清潔に保つことは非常に重要です。
3. 運転効率の低下による電気代の無駄な上昇
ファンやフィンにゴミが詰まると、空気を吸い込んだり吐き出したりする力が弱まります。設定温度にするために、エアコンは余計な電力を使います。
汚れたままの運転は、通常よりも20%ほど電気代が高くなるというデータもあります。クリーニングをすることで、結果的に家計の節約につながります。
プロの内部洗浄で汚れが落ちる様子
自分では掃除できない奥深くまで、プロはどのように綺麗にするのでしょうか。専用の道具を駆使した、徹底的な洗浄工程を解説します。
1. 洗浄専用の薬剤を隅々まで吹き付ける手順
プロはまず、エアコンの周りをビニールで丁寧に養生します。そのあと、強力なカビ除去成分を含む専用の洗剤を内部に吹き付けます。
この洗剤は家庭用スプレーとは異なり、粘り気があって汚れにしっかり吸着します。数分置くだけで、固まった黒カビが溶けてドロドロになります。
2. 真っ黒な汚水がバケツに溜まっていく変化
洗剤で汚れを浮かせたあと、高圧洗浄機で一気にすすぎを行います。透明だった水が、エアコンを通った瞬間に真っ黒な液体へと変わります。
汚水が溜まったバケツを見ると、これほど汚れた空気を通していたのかと驚くはずです。洗浄が進むにつれ、水の色は少しずつ透明に戻っていきます。
3. フィンの隙間までピカピカに輝く仕上がり
洗浄が終わると、くすんでいたアルミフィンが本来のシルバーの輝きを取り戻します。ファンの隙間に詰まっていたゴミも一切なくなります。
最後は防カビ仕上げを行い、カビが再発しにくい状態に整えます。見違えるほど綺麗になった内部からは、爽やかな風が吹き抜けるようになります。
エアコンクリーニングを業者に頼むメリット
エアコンの掃除をプロに任せることには、多くの利点があります。単に綺麗にするだけでなく、機械としての寿命を延ばすことにも繋がります。
1. 自分では届かない奥の汚れを落とす専用機材
家庭用の掃除道具では、エアコンの表面を拭くことしかできません。プロは分解技術を持っており、部品を取り外して奥まで洗浄します。
高圧洗浄機を使えば、フィンの裏側やファンの隙間の奥深くにある汚れも届きます。この徹底した洗浄力が、プロに頼む最大の価値です。
2. 高圧洗浄による徹底的なカビ菌の除去
表面の汚れを拭き取るだけでは、カビの根っこまで取り除くことは不可能です。プロは除菌効果の高い洗剤と大量の水で、菌を根こそぎ洗い流します。
これにより、掃除をしてもすぐにニオイが戻ってしまうといった悩みが解消されます。清潔な状態が長く続くため、年に1度のメンテナンスとして最適です。
3. 掃除後の動作確認による故障トラブルの防止
エアコンは精密機械なので、間違った場所に水がかかるとすぐに故障します。プロは電装部品にしっかり防水処置を施して作業を行います。
作業後には必ず試運転を行い、正常に動作するかチェックしてくれます。もしもの時のための損害賠償保険に加入している業者が多いのも安心な点です。
エアコンクリーニングにかかる費用の相場
業者に依頼する際、一番気になるのが料金ではないでしょうか。エアコンの種類や台数によって変わる、最新の価格目安をまとめました。
| エアコンの種類 | 料金相場(1台あたり) | 作業時間の目安 |
| 壁掛け型(通常タイプ) | 8,000円 〜 12,000円 | 1時間 〜 1.5時間 |
| お掃除機能付き | 14,000円 〜 20,000円 | 2.5時間 〜 3時間 |
| 天井埋込型 | 18,000円 〜 25,000円 | 2時間 〜 3時間 |
1. お掃除機能なしの壁掛けタイプの料金目安
一般的な壁掛けエアコンは、構造がシンプルなので比較的安く設定されています。10,000円前後で依頼できる業者が多く、手軽に利用できます。
「くらしのマーケット」などの比較サイトを利用すると、地域の格安業者を見つけることも可能です。キャンペーン期間中なら、さらに数千円安くなることもあります。
2. 構造が複雑なお掃除機能付きタイプの価格帯
お掃除機能付きは、内部のロボット部品を一度取り外す必要があります。そのため、通常タイプよりも作業時間が長く、技術料も上乗せされます。
15,000円を超えることが一般的ですが、その分分解の難易度が高いため、プロに任せるメリットが大きいです。依頼前に自分のエアコンがどちらのタイプか確認しておきましょう。
3. 複数台をまとめて依頼したときの割引特典
多くの業者では、2台目以降の料金が安くなる「複数台割引」を用意しています。リビングと寝室など、まとめて頼むと1台あたり1,000円から2,000円お得になります。
出張費も一度で済むため、業者側にとってもメリットがあります。家族や隣人と合わせて申し込むことも、賢く費用を抑えるコツの一つです。
自分でスプレー洗浄を行う際の注意点
市販のエアコン洗浄スプレーを使えば、自分でも掃除ができると思われがちです。しかし、実はプロがおすすめしない理由がいくつかあります。
1. 電装部分に液体がかかることによる火災の危険
エアコンの右側には、基板などの大事な電気回路が集まっています。ここにスプレーの液体がかかると、ショートして故障や火災の原因になります。
実際に、自己流の洗浄が原因で火災事故が起きた例も報告されています。養生が不十分な状態でのスプレー使用は、非常にリスクが高い行為です。
2. 洗剤のすすぎ残しが新たなカビの原因になる懸念
スプレーの洗剤成分を水でしっかり洗い流さないと、それがそのままカビの餌になります。家庭用スプレーは「洗い流し不要」と書かれていますが、実際には成分が残ります。
残った洗剤にホコリがこびりつき、掃除をする前よりも汚れがひどくなるケースが後を絶ちません。内部をより不衛生にする可能性があるのです。
3. 市販のスプレーでは奥の汚れが落ちない限界
スプレーの勢いだけでは、フィンの表面しか汚れを落とせません。一番汚れている送風ファンまでは届かず、根本的な解決にならないことが多いです。
バケツに黒い水が出るほどの徹底洗浄は、市販のスプレーでは不可能です。あくまで表面的なお手入れと割り切るか、プロに任せるのが安全な選択です。
カビの増殖を抑えるための日頃の対策
一度綺麗にしたエアコンは、できるだけ長く清潔に保ちたいものです。誰でも今日からできる、簡単なカビ予防の習慣を紹介します。
1. 冷房を切る前に30分以上の送風運転を行う習慣
冷房の後はエアコン内部が濡れています。そのまま電源を切るのではなく、30分から1時間ほど「送風」運転を行って中を乾かしましょう。
内部を乾燥させるだけで、カビの発生率は劇的に下がります。最近のエアコンには「内部クリーン機能」として自動でこの作業を行う機種も多いです。
2. 2週間に一度の定期的なフィルター掃除
フィルターがホコリで詰まると、冷房効率が下がり、結露の量が増えてしまいます。最低でも2週間に1回は、掃除機でホコリを吸い取りましょう。
汚れがひどい時は、シャワーで水洗いして陰干ししてください。フィルターを綺麗に保つことが、内部の黒い水を防ぐ一番の近道です。
3. 部屋の換気をして室内の湿度を下げる工夫
カビは湿気が大好きです。料理中や雨の日は換気扇を回したり、窓を開けたりして、お部屋の湿度を下げてください。
また、キッチンから出る油煙もエアコンの汚れを早めます。調理中は必ず換気扇を強めに回し、エアコンが油を吸い込まないように気をつけましょう。
クリーニングを業者に依頼するタイミング
最後に、プロを呼ぶべき「サイン」についてお伝えします。これらの症状が出ていたら、内部にはすでに黒い水が出るほどの汚れが溜まっています。
1. 吹き出し口から黒い点々が見えたとき
エアコンの風が出てくる隙間を、ライトで照らして覗いてみてください。羽根や奥の壁に黒いポツポツとした点が見えたら、それはすべてカビです。
目に見える場所にカビがあるということは、奥にはその何倍もの汚れが潜んでいます。この状態になったら、早急に内部洗浄を検討しましょう。
2. エアコンをつけた瞬間に嫌なニオイがするとき
スイッチを入れた時に、酸っぱい臭いやカビ臭さを感じたら掃除のサインです。内部で繁殖した雑菌やカビが、風に乗って出てきている証拠です。
消臭スプレーで誤魔化しても、原因である内部の汚れを落とさない限りニオイは消えません。不快なニオイは、エアコンからの「掃除して」という合図です。
3. 冷房や暖房の効きが以前より悪くなったと感じる場合
以前と同じ温度設定なのに、なかなか部屋が冷えない(暖まらない)ことはありませんか。それは内部の目詰まりが原因かもしれません。
無理に運転を続けると機械に負荷がかかり、寿命を縮めてしまいます。効きが悪くなったと感じたら、一度内部の状態をチェックしてもらうのがおすすめです。
まとめ
エアコンから出る黒い水の原因は、内部で増殖したカビやホコリ、そしてキッチンからの油汚れでした。これらの汚れは自分ではなかなか落とせませんが、プロの内部洗浄を利用すれば、高圧洗浄で見違えるほど綺麗に洗い流すことができます。
清潔なエアコンは、単に気持ちが良いだけでなく、アレルギーの予防や電気代の節約にも大きく貢献します。これまで一度も掃除をしたことがない方や、風のニオイが気になり始めた方は、ぜひ一度プロのクリーニングを体験してみてください。
次にエアコンの汚れをチェックする際は、吹き出し口の奥をライトで照らしてみるのがおすすめです。もしカビが見つかったら、それはお部屋の空気をリセットする絶好のタイミングかもしれません。まずは信頼できる業者の口コミや料金を比較して、見積もりを取ることから始めてみてはいかがでしょうか。
