トイレの掃除をしていても、どこからか嫌な臭いが消えないことはありませんか。その原因は、手が届かない便器の隙間にあるかもしれません。ハウスクリーニングで便器は外せるのか、疑問に思う方も多いはずです。
プロに頼めば、普段は触れない場所まで綺麗にしてもらえます。この記事では、届かない隙間を掃除する方法を詳しく解説します。自分で行う手入れからプロの技まで、気になる情報をまとめました。
ハウスクリーニングで便器は外せる?
結論からお伝えすると、一般的なハウスクリーニングで便器本体を床から外すことはありません。便器は水道管と強固に接続されているからです。無理に外そうとすると、大きなトラブルに繋がる恐れがあります。
プロが行う「外す」作業は、主に便座の部分を指します。ウォシュレットなどの温水洗浄便座を一時的に取り外して、その下の隙間を磨き上げます。これにより、自分では届かない場所の汚れをしっかり落とすことが可能です。
1. 一般的なハウスクリーニングで便器を床から外さない理由
便器本体は、床の下にある排水管と密結されています。これを取り外すには、水道設備に関する専門的な資格や技術が必要です。ハウスクリーニング業者は清掃のプロであり、設備の脱着を専門としているわけではありません。
もし無理に便器を動かすと、接続部のパッキンが痛んでしまいます。作業後に水漏れが発生するリスクが高まるため、床からの取り外しは行わないのが一般的です。
2. 業者が取り外し掃除を行うのは便座やウォシュレット部分
業者が清掃時に取り外すのは、便器の上に乗っている便座ユニットです。ウォシュレットなどは、サイドのボタンを押すだけで簡単にスライドして外せます。
便座と便器が重なっている部分は、最も尿石が溜まりやすい場所です。プロはこの部分を露出させて、専用の洗剤で徹底的に除菌洗浄を行います。これにより、トイレ全体の臭いが見違えるほど改善されます。
3. 便器を無理に外すと水漏れが発生するリスク
便器を床から引き抜くと、フランジと呼ばれる接続パーツの交換が必要になる場合があります。一度外した便器を元に戻す際、少しでもズレが生じると床下浸水の原因になります。
水漏れは家全体の構造に悪影響を及ぼす重大なトラブルです。そのため、清掃範囲はあくまで「安全に汚れを落とせる範囲」に限定されています。
業者が行うトイレ掃除の具体的な作業範囲
プロのハウスクリーニングは、私たちが普段行う掃除とは道具も手順も異なります。自分では見落としがちな細かい部分まで、徹底的に汚れを追い出すのが特徴です。
作業範囲は便器の中だけでなく、空間全体に及びます。特に尿石などの硬い汚れや、壁に染み付いた臭いへのアプローチがプロならではのポイントです。主な清掃内容を以下のテーブルにまとめました。
| 清掃箇所 | 内容 |
| 便器内部 | 尿石除去、フチ裏の洗浄 |
| 温水洗浄便座 | 本体着脱洗浄、ノズル掃除 |
| タンク回り | 蓋の洗浄、手洗い場の手垢落とし |
| 壁・床 | 飛散汚れの拭き掃除、除菌 |
| 換気扇 | フィルターのホコリ除去 |
1. 便器の内側とフチ裏にこびりついた尿石の除去
便器のフチ裏は、鏡を使わないと見えない死角です。ここには茶色く固まった尿石がびっしりと付着していることがよくあります。
プロは強力な酸性洗剤と特殊なブラシを使い、この尿石を溶かして削り落とします。尿石がなくなることで、嫌なアンモニア臭が根本から解消されます。
2. ウォシュレット本体を外して行う接合部の清掃
ウォシュレットの裏側は、湿気がこもりやすくカビや汚れが繁殖しやすい環境です。業者は本体を取り外し、接合面に溜まった汚れを一気に拭き上げます。
普段の掃除では決して手が届かない部分なので、驚くほど汚れていることが多いです。専用の除菌剤を使うことで、雑菌の繁殖を抑える仕上げを行います。
3. 壁面や床に残った飛び散り汚れと除菌仕上げ
男性が立って用を足す場合、目に見えない飛沫が壁や床にまで広がっています。プロは壁紙を傷めない洗剤を使い、壁の下半分を念入りに清掃します。
最後は全体をアルコールや安定化二酸化塩素などで除菌します。これにより、空間全体の空気がクリーンになり、清潔感が長持ちします。
便器の届かない隙間を掃除する方法
プロに頼まなくても、自分で行える隙間掃除の方法はいくつかあります。特別な道具がなくても、家にあるものを工夫するだけで汚れは落とせます。
大切なのは、隙間の奥に溜まった汚れを「かき出す」ことです。力任せに擦るのではなく、汚れの性質に合わせて道具を使い分けるのがコツです。
1. 割り箸と布を使って細い隙間の汚れを掻き出す方法
最も手軽なのが、割り箸に古布やキッチンペーパーを巻き付けた「松居棒」のような道具です。輪ゴムでしっかり固定すると使いやすくなります。
これを便器と床の隙間に差し込み、横にスライドさせます。驚くほど黒い汚れが取れるので、布を取り替えながら繰り返してください。
2. クエン酸スプレーで尿石を緩めてから拭き取る手順
隙間の汚れが硬くて取れない場合は、クエン酸を活用しましょう。水200mlにクエン酸小さじ1を混ぜたスプレーを隙間に吹きかけます。
20分ほど放置すると、酸の力で尿石が柔らかくなります。その後に割り箸などで擦れば、力を入れなくてもスルッと汚れが落ちます。
3. 歯ブラシや綿棒を活用して細かい凹凸を綺麗にするコツ
便器のサイドにあるネジ穴やプラスチックの継ぎ目には、綿棒が便利です。少し水で湿らせてなぞるだけで、ホコリや汚れを吸着してくれます。
使い古しの歯ブラシは、毛先を斜めにカットすると「隙間専用ブラシ」に早変わりします。コシが強くなるため、狭い溝の汚れを弾き出すのに最適です。
隙間の掃除に便利な道具
最近は、トイレの隙間掃除を劇的に楽にする便利グッズがたくさん販売されています。100円ショップでも手に入るものが多いため、積極的に活用しましょう。
道具を揃えることで、掃除のハードルがグッと下がります。特におすすめのアイテムを3つご紹介します。
1. 100均でも手に入る隙間掃除専用のロングブラシ
ダイソーなどの100円ショップには、非常にスリムな形状の「隙間ブラシ」が売られています。先端に不織布がついているタイプは、洗剤なしでも汚れを絡め取ります。
柄が長くてしなる素材のものを選べば、便器の裏側まで楽に届きます。使い捨てタイプなら、汚れた後にそのまま捨てられるので衛生的です。
2. 傷をつけずに汚れを落とすプラスチック製のスクレーパー
便器の表面にこびりついた固い汚れには、プラスチック製のヘラ(スクレーパー)が有効です。金属製と違い、陶器に傷をつけにくいのがメリットです。
これに薄い布を被せて隙間に差し込めば、狭い溝の奥まで力が伝わります。厚みの薄いものを選ぶと、より細い隙間にも対応できます。
3. 手が届かない奥まで届くノズル付きの洗浄液
ライオンの「ルックプラス 泡ピタ」や「まめピカ」などの製品は、狙った場所に泡が密着します。ノズルの向きを変えられるタイプは、隙間への噴射に便利です。
泡が汚れを包み込んで浮かせてくれるため、擦る手間が省けます。逆さまでも使えるスプレーボトルを選ぶと、便器の裏側もスムーズに掃除できます。
便器と床の隙間の汚れを落とす手順
便器と床の設置面は、最も汚れが溜まりやすく、かつ目立つ場所です。ここを綺麗にするだけで、トイレの印象がパッと明るくなります。
手順としては、まず汚れを浮かせてから、物理的に取り除くのが正解です。最後には再発防止の対策も忘れずに行いましょう。
1. 隙間に染み込んだ汚れを浮かせるパック掃除のやり方
汚れがひどい場合は、キッチンペーパーにクエン酸水を染み込ませ、隙間に貼り付ける「パック掃除」がおすすめです。乾燥しないように上からラップを被せるとさらに効果的です。
そのまま30分から1時間ほど放置してください。時間の経過とともに、奥にこまった汚れが手前に浮き出てきます。
2. 古いカードと布を使って隙間の奥まで拭き取る方法
パックが終わったら、不要になったポイントカードなどを布で包みます。これを隙間に差し込んで、奥の汚れを削り取るように動かしてください。
カードの適度な硬さが、隙間にぴったりフィットします。布に汚れがつかなくなるまで、場所を変えながら丁寧に拭き取りましょう。
3. 清掃後に汚れの侵入を防ぐ隙間フィルやテープの活用
綺麗になった後は、汚れを入れない工夫が大切です。市販の「トイレの隙間フィル」というシリコン剤を塗ると、隙間を完全に塞げます。
もっと手軽な方法として、透明な防水テープを貼るのも効果的です。これをしておくだけで、次からの掃除が表面を拭くだけで済むようになります。
便座と便器の重なり部分を掃除する手順
便座と便器の間には、実は1cmほどの隙間があります。ここを掃除するには、便座を動かす必要があります。最近の機種には、掃除のための便利な機能が備わっています。
無理に持ち上げるのではなく、説明書に沿って正しい手順で動かしましょう。主要な着脱・昇降手順は以下の通りです。
1. ウォシュレットの着脱ボタンを確認して本体を外す方法
多くのウォシュレットは、向かって右側に「本体着脱」と書かれたボタンやレバーがあります。これを押しながら手前に引くと、ガシャっと本体が外れます。
完全に外す必要はなく、10cmほど手前にずらすだけで十分です。これで便器の上面が剥き出しになり、奥まで拭き掃除ができるようになります。
2. リフトアップ機能を活用して便座を持ち上げる手順
「お掃除リフトアップ」機能があるトイレなら、ボタン一つで便座が真上に数センチ浮き上がります。機種によっては手動で持ち上げるタイプもあります。
隙間ができることで、厚手の掃除用シートも簡単に入ります。掃除が終わったら、カチッと音がするまで押し下げるのを忘れないでください。
3. 複雑な形状のノズル周りに付着した汚れの落とし方
ノズル周辺は、自動洗浄機能があっても汚れが残りやすい場所です。「ノズル掃除」ボタンを押してノズルを出し、柔らかい布で優しく拭きます。
落ちにくい汚れには、使い古した綿棒に中性洗剤をつけて擦りましょう。ノズルの出し入れ口の周辺も汚れやすいため、念入りにチェックしてください。
トイレの嫌な臭いが発生しやすい場所
便器の中が綺麗なのに臭う場合、原因は便器以外にあるかもしれません。尿の飛沫は、想像以上に広い範囲に飛び散っています。
臭いの発生源を特定することで、無駄のない掃除が可能になります。特に見落としがちな3つのポイントを意識してみましょう。
1. 壁紙の低い位置に染み付いたアンモニア臭の対策
床から50cmほどの高さまでの壁紙は、尿が飛び散っている可能性が非常に高いです。壁紙は臭いを吸収しやすいため、ここが臭いの元凶になることがよくあります。
クエン酸水をスプレーした布で、壁を優しく叩くように拭いてください。ゴシゴシ擦ると壁紙を傷めるので注意が必要です。
2. 便器の設置面やボルトカバー内部に溜まる汚れ
便器を床に固定しているボルトには、プラスチックのカバーがついていることがあります。このカバーの内部に尿が入り込み、腐敗して悪臭を放つケースがあります。
カバーを外して、中をアルコールなどで拭き取ってみましょう。設置面の隙間と同様、ここも汚れが溜まりやすい死角です。
3. 換気扇のフィルターに詰まったホコリとカビの除去
換気扇がホコリで詰まっていると、臭いが外に排出されません。フィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取るか水洗いをしましょう。
換気扇内部にカビが生えていると、回すたびにカビの臭いが充満してしまいます。定期的なチェックが、清潔な空気を作る近道です。
掃除しにくい場所を減らす最新トイレの機能
最近のトイレは「掃除のしやすさ」が最大の売りになっています。これからリフォームや買い替えを検討しているなら、隙間が少ないモデルを選ぶのが賢い選択です。
メーカーごとに、掃除の手間を減らす工夫が凝らされています。代表的な機能を整理しました。
1. TOTOのワンプッシュで便座が上がるお掃除リフト
TOTOのウォシュレットには、横のレバーを引き出すだけで便座が持ち上がる機能があります。複雑な操作が不要で、誰でも簡単に隙間を掃除できます。
便器そのものも「フチなし形状」になっており、汚れが隠れる場所がほとんどありません。サッとひと拭きで終わるデザインが魅力です。
2. LIXILの真上にしっかり持ち上がるお掃除リフトアップ
LIXILのサティスなどは、電動で便座が真上に5cmほど上がります。この広い隙間のおかげで、奥の手が届かなかった部分まで手が届きます。
さらに、便器の表面に強力な防汚コーティングが施されているのも特徴です。汚れがそもそも付きにくいため、隙間掃除の頻度自体を減らせます。
3. パナソニックの継ぎ目がないスキマレスデザイン
パナソニックのアラウーノは、便座と便器の間に段差や継ぎ目がない「スキマレス設計」を採用しています。汚れが入る隙間そのものをなくすという発想です。
素材自体も有機ガラス系という水弾きの良いものが使われています。汚れが溜まりにくいため、日々のメンテナンスが非常に楽になります。
プロのハウスクリーニングを依頼する料金相場
自分では落としきれない尿石や、どうしても消えない臭いがあるならプロの出番です。1年に1回程度プロにリセットしてもらうと、その後の自分での掃除が格段に楽になります。
料金は、単品で頼むかセットで頼むかによって大きく変わります。依頼前に知っておきたい価格の目安をまとめました。
1. トイレ1箇所あたりの単品依頼にかかる費用目安
トイレクリーニングを単品で依頼する場合、8,000円から16,000円程度が相場です。大手の業者ほど高くなる傾向にありますが、その分保証やサービスが充実しています。
作業時間は約1時間から1.5時間程度です。この短い時間で、自分では不可能なレベルまで磨き上げてくれる価値は非常に高いと言えます。
2. 水回りセットプランでお得に依頼できる料金設定
キッチンや浴室など、他の水回りと一緒に依頼すると1箇所あたりの単価が下がります。例えば「水回り5点セット」なら、1箇所あたり1万円を切ることも珍しくありません。
大掃除の時期などにまとめてプロに任せるのは、非常に賢い節約術です。移動費などが1回分で済むため、業者側も値引きしやすくなります。
3. 汚れの状態や特殊な形状による追加料金の有無
極端に尿石が固着している場合や、多機能すぎる海外製トイレなどは追加料金が発生することがあります。事前に写真を送って見積もりを取るのが確実です。
また、駐車場代が別途かかるケースもあります。トラブルを避けるために、総額でいくらになるのかを事前に確認しておきましょう。
綺麗な状態を維持するための日々の手入れ
せっかく綺麗にしたトイレは、できるだけ長く維持したいものです。そのためには、汚れを溜めない「ついで掃除」を習慣にしましょう。
ほんの少しの工夫で、大掛かりな掃除の必要がなくなります。今日からできる簡単なポイントを3つ紹介します。
1. 汚れが定着する前にサッと拭き取る毎日の習慣
トイレを使った際、目につく汚れを掃除用シートで1箇所だけ拭く習慣をつけましょう。たった30秒の作業が、頑固な汚れの発生を防ぎます。
特に出口に近い便座の裏や、便器のフチを意識してください。汚れが柔らかいうちなら、洗剤なしでも簡単に落ちます。
2. 汚れを弾いて付きにくくするコーティング剤の活用
掃除の仕上げに、市販のトイレ用コーティング剤を使用するのも効果的です。シリコン成分が表面を覆い、尿や水を強力に弾いてくれます。
これにより、隙間に水分が入り込むのを防げます。効果は数ヶ月続くものが多いので、衣替えの時期などに行うのがおすすめです。
3. 家族全員が座って使うことによる飛び散り汚れの防止
最も効果的な汚れ防止策は、家族に協力してもらうことです。男性も座って用を足すだけで、壁や床への飛散が90%以上カットされると言われています。
掃除の大変さを共有し、汚さない工夫を家族で話し合ってみましょう。使う人全員の意識が変われば、トイレは常に清潔に保たれます。
まとめ
ハウスクリーニングで便器本体を外すことはありませんが、便座を着脱することで届かない隙間の汚れはしっかり落とせます。プロは専用の洗剤と技術を駆使して、嫌な臭いの元を断ってくれます。自分で行う場合は、割り箸やクエン酸を活用して、隙間の尿石を浮かせて取り除くのがコツです。
一度プロに徹底清掃を依頼して汚れをリセットした後は、隙間ガードテープを貼ったり、座って使う習慣をつけたりして、綺麗な状態をキープしましょう。隙間さえ攻略すれば、トイレはもっと快適な空間になります。まずは100均の隙間ブラシを手に入れることから始めてみてください。
